Religious Self-Cultivation of Women in the Taishō period: A Historical Study of "Media Religion" and Gender
Project/Area Number |
23K00080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
赤江 達也 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30823819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 絢子 東北大学, 国際文化研究科, JSPS特別研究員 (50816816)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | メディア宗教 / 教養 / 修養 / 女性信徒 / 女性求道者 / 女性協働者 / 大正教養主義 / 宗教文学 / ジェンダー / 宗教 / メディア |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、近代日本における女性たちの自己形成を「宗教的教養」という観点から実証的に解明することである。とくに大正期に興隆する「メディア宗教」(教団外の、活字メディアに依拠した宗教的言説実践)に注目することで、女性たちの教養と宗教の密接な関係を検討する。 具体的には、①独立系男性宗教者の周囲にいた女性たち(家族・協働者・支援者・読者)の可視化、②宗教思想運動における女性の位置と役割の解明、③女性たちの教養とメディア宗教に関する理論的整理、④「宗教的教養」とジェンダー規範の歴史記述を行う。それにより、近代日本における「教養と宗教」を総体的に捉える歴史像の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「女性と教養」という新たな視座から、大正期の女性たちの自己形成と密接不可分な「宗教的教養」の実態を実証的に解明することにある。 本年度(2023年度)は、①明治・大正期以降の女性の宗教的教養に関わる事例を広く収集・整理し、②研究成果の発表、③研究会の開催を行った。 ①「メディア宗教」研究で作成した独立系宗教家の宗教雑誌に関するデータを活用しながら関連人物の整理を行った。 ②大澤絢子は、「宗祖と戦争──悶える親鸞と戦う日蓮」(『仏教文学』48巻)、「書評 Michihiro Ama, The Awakening of Modern Japanese Fiction: Path Literature and an Interpretation of Buddhism」(『近代仏教』30巻)、「人生を謳う女──岡本かの子と仏教」(『現代思想』52巻)を執筆した。また、共編著『読んで観て聴く 近代日本の仏教文化』(法藏館)、共著『増補改訂 近代仏教スタディーズ』(法藏館)を刊行し、国際学会発表1回、学会発表2回、講演2回を行った。 赤江達也は、「女性協働者たちの無教会運動──皆川とし子の煩悶・求道と〈信仰=研究〉系キリスト教」(『アジア・キリスト教・多元性』22号)、「近代日本のキリスト教知識人──内村鑑三の無教会主義と宗教的教養の時代」(『アジア人物史9』集英社)、「〈史料紹介〉矢内原忠雄の橘新宛書簡」(『関西学院大学社会学部紀要』142号)、「書評と紹介 永岡崇著『宗教文化は誰のものか』名古屋大学出版会」(『宗教研究』406号)を執筆した。 ③大澤絢子著『「修養」の日本近代』の書評会を開催し(2023年7月30日、於慶應義塾大学、同時配信)、その記録を『フィルカル』8巻3号に掲載した。また、関連領域の研究者を招待してオンライン研究会を5回、開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度(2023年度)は、研究課題に関わる論文や書籍を発表し、公開研究会の開催や関連分野の研究者を招いての研究会を開催できた。次年度(2024年度)も図書館等での資料収集や調査、対象とする宗教雑誌についての目録データベース作成や内容の分析を進め、論文などを作成する。とくに宗教的言説の担い手/受け手としての女性たちの活動に注目し、広範囲の情報収集と個別的な事例研究を進めていくことで、大正期における宗教文化の総体的な解明を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2024年度)は、「大正期の宗教的教養と女性たち」に関して引き続き史資料の収集・整理と分析・検討を進め、その成果を発表する。主に大正期の独立系宗教者周囲の女性協働者たちの事例研究を進め、既成教団外の宗教活字メディア(書籍・雑誌)を中心とする史資料を収集・分類・目録化し、分析・記述を行う。 大澤絢子は、仏教系の作家・評論家たちの言論活動を検討する。既成宗教カテゴリーに収まらず、書籍や雑誌を通して教団外で宗教的言説を発信した宗教者や作家として主に西田天香、山中峯太郎、石川武美のメディア実践(『光』『婦人公論』『主婦之友』)と関連女性を対象とする。具体的作業は、①書籍・雑誌、文章タイトルのリスト化、②九条武子など女性の信徒や寄稿者、読者の宗教的言説の比較・分析である。 赤江達也は、内村鑑三にはじまる無教会運動における女性協働者の実践や役割について検討する。とくに内村鑑三の『聖書之研究』、塚本虎二の『聖書知識』を主な史料として、無教会運動における女性信徒の研究を行う。具体的作業としては、年代別の婦人会のような女性信徒団体の活動実態とその成員情報の収集・整理を行う。また、塚本虎二の聖書翻訳の協働者・皆川とし子を起点として、女性協働者に関する事例研究を進める。 これらの作業を通して、大正期および昭和戦前期の独立系宗教家の周囲にいた女性協働者や女性寄稿者、女性読者たちの役割と実態を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(16 results)