Project/Area Number |
23K00125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
宮川 渉 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 特任准教授 (10760051)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 細川俊夫 / スペクトル音楽 / 旋法 / 音響 / 民族音楽 / 現代音楽 / カイヤ・サーリアホ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、現代音楽における旋法の使用方法、その傾向などを明らかにすることを目的とする。ただ現代音楽において旋法は多様な形で使用されているため、本研究では、民族音楽との関係性、音響の重要性という旋法の二つの特徴を基準に研究対象となる作曲家を選択し、彼らの作品研究に取り組む。その対象として選んだ作曲家が細川俊夫とカイヤ・サーリアホである。当然、現代音楽における旋法の使用方法について検討する上で二人の作曲家の作品分析をするだけでは不十分であるため、並行して他の作曲家による旋法の使用方法も調査する。最終的にこれらの調査結果を比較し、現代音楽における旋法の使用方法などを総合的に明確化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現代音楽における旋法の使用方法、その傾向などを明らかにすることを目的とし、その対象として選んだ作曲家の一人が細川俊夫である。2023年度は特に細川作品研究に取り組んだ。ここでは細川自身が旋法と呼ぶオクタトニック・スケールが彼の作品の中でいかに用いられているかを分析した。その結果、細川は「母胎和音」と関連するオクタトニック・スケールを1990年代中頃以降に曲の中心的な音組織として用い始めたことが明らかになった。この研究結果をまとめた論文を学術誌に投稿したところ、受理され2024年10月に出版される予定である。 また2023年5月に武満徹と細川の作品研究に関する発表をフランス国立音響音楽研究所(IRCAM)で行い、さらに同年6月にLangages artistiques Asie-Occident (Langarts)がパリのInstitut national d'histoire de l'artで開催した学会に参加して、細川のリズムの考え方に関する発表を行った。この発表をもとに執筆した論文はLangartsの編集委員会によって査読され、その結果、出版社L'Harmattanから2024年6月に出版される予定である。 本研究の対象となる細川には2023年12月末にインタビューを行うことができ、多くの新たな情報を得ることができた。この情報をもとに進めた分析をまとめ、学会発表と論文執筆に取り組むことを予定している。 またカイヤ・サーリアホなどを中心としたスペクトル音楽に関する研究も行う予定にしていたが、上に記したように、現在細川と直接連絡を取ることができる非常に恵まれた状況にあるため、まず細川作品研究を優先的に行うことを考えている。しかし、IRCAMからスペクトル楽派の作曲家であるフィリップ・ルルーのVoi(Rex)の解説文を依頼されたため、細川作品研究が落ち着いた時にスペクトル音楽の研究も進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細川俊夫作品の分析に関する明らかな研究成果を得ることができ、その研究発表も行えているため、順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、すでにいくつか発表する予定が決まっており、論文も1本を2024年12月末までに完成し、学術誌に投稿することを予定している。 他方、「研究実績の概要」に記したように、本研究の対象であるカイヤ・サーリアホやスペクトル音楽に関する研究にはまだ着手できていない状態である。こちらは上記の論文投稿が予定通りに進んだ場合には、2025年1月から取り組むことを予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)