Project/Area Number |
23K00152
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 欣久 東北大学, 文学研究科, 教授 (80463446)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 御用絵師 / 弘前藩 / 仙台藩 / 狩野派 / 木挽町狩野家 / 藩日記 / 東北の画人 |
Outline of Research at the Start |
2019年度から21年度の科学研究費助成事業において、「江戸時代の東北画家のおける地域と階層に由来するアイデンティティの基礎的調査研究」というテーマに取り組んだ。そこで生じた新たな問いについて探究する発展的な内容と、本研究を位置づける。東北諸藩の御用絵師が幕府奥絵師の中橋、鍛冶橋、木挽町狩野家に師事する状況に加え、師弟間の交流や作画活動上の分担など、藩の御用絵師と幕府奥絵師それぞれの組織間における関係性について究明する。これに対し、領主としての藩に伝来した膨大な量を誇る日記資料に着目し、特に弘前藩の『藩日記』と仙台藩の『治家記録』を中心に 調査したうえで、関係記事を抽出して分析を加える。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は東北諸藩の御用絵師が幕府奥絵師の中橋、鍛冶橋、木挽町狩野家に師事する状況に加え、師弟間の交流や作画活動上の分担など、藩の御用絵師と幕府奥絵師それぞれの組織間における関係性について究明しようとするものである。これに対し、領主としての藩に伝来した膨大な量を誇る日記資料に着目し、特に弘前藩の『江戸日記』と仙台藩の『治家記録』を中心に調査し、関係記事を抽出してデータベースを作成、分析を加えていくこととした。 令和5年度は「1 藩に伝来した日記を中心とする資料の調査および撮影」「2 藩関係文書の把握」「3 コンピューター入力による基礎データベースの構築」を研究の3本柱として取り組んだ。 1に関しては、すでにその重要性を把握している弘前藩の『江戸日記』について、所蔵先である弘前市立弘前図書館に赴き、元禄17年(1704)から正徳6年(1716)まで13年分の調査を行い、絵師に関係する記録部分については写真撮影を行った。当初は貞享から元文まで約70年間にわたる調査を予定していたものの、研究費交付の減額にともない、調査範囲を減らして宝永から享保までのおよそ30年間の記録に限定することとした。このことから、令和5年度における本資料の調査達成率は43パーセントとなった。 2については各地方図書館における蔵書目録により、その存在の有無を調査した。 さらに3に関しては、すでに調査を終えた弘前藩『江戸日記』と仙台藩『治家記録』のデータベース化を行なった。愚滝的には、前者は宝永元年から6年までの6年間について、後者は寛文年間から享保年間に至るまでのおよそ60年間について、関係する記録の年月日および内容についての入力を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」でも触れたように、本研究における令和5年度は「1 藩に伝来した日記を中心とする資料の調査および撮影」「2 藩関係文書の把握」「3 コンピューター入力による基礎データベースの構築」を研究の3本柱として取り組むこととした。 このうち1と3関しては、弘前藩の『江戸日記』について元禄17年(1704)から正徳6年(1716)まで13年分の調査を行い、半分に相当する宝永年間の記録についてデータベース化を行なった。調査の達成率は43パーセントであり、データベース化の達成率はその半分の20パーセント程度である。 進捗状況について調査自体は順調であり、データベース化は一見して遅れているように見えるものの、3年にわたる研究年度の後半において、その作業を集中させるという当初の計画で進めているため、おおむね順調に進展していると判断した。一方、仙台藩の『治家記録』については4代藩主・伊達綱村の記録である『肯山公治家記録』の調査およびデータベース入力作業を終え、5代藩主・吉村の『獅山公治家記録』も元禄から元文にわたっては調査を終え、さらにその期間のデータベース入力作業も完了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記3本柱の研究計画のうち、「1 藩に伝来した日記を中心とする資料の調査および撮影」と「3 コンピューター入力による基礎データベースの構築」を、令和6年度7年度ともに継続して行っていく。 本6年度については、弘前藩『江戸日記』に関して享保元年(1716)分から調査を再開し、研究計画の残り半分に相当する享保10年(1726)までの10年分を終えることを目標とする。一方の仙台藩『治家記録』に関しては5代藩主・吉村の『獅山公治家記録』のうち、寛保から宝暦に至るまでのおよそ30年間についての調査を行う。 前者を所蔵する弘前市立図書館は遠方であるため、夏季から秋季にかけて数度にわけて訪れる必要がある。一方、後者の所蔵は近隣の仙台市博物館であることから、こちらは時間を見つけて継続的に調査を行うことが可能である。調査計画の達成率については70パーセント、データベース作成の達成率は50パーセントを目指す予定である。
|