Project/Area Number |
23K00194
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
湯之原 淳 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 准教授 (10812810)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | やきもの / 陶磁器 / 陶芸 / 石膏型 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、陶磁器成形法の一つである排泥鋳込み成形による陶磁器造形表現の制作実践において、これまでにない新たな型成型法を生み出し陶磁器作品とすることを目的として行うものである。大型磁器作品の原型を製作する場合、多くの作業と時間を費やして石膏で作られるが、軽く取り扱いも簡単な布を用いて作品化することはできないかと考えた。布を躯体に張ることで生まれてくる美しい曲面を利用し原型を作る。布を用いることで、作業時間も軽減されると同時に人為的には出せない布の持つ魅力も表現する試みである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、原型を作成するための布選定から布を木製の躯体に張ることで生まれてくる美しい曲面の作り方やその曲面を保ち固定するための様々なメディアを探し、その塗付方法を探った。まず、布を張った小さなテストピースを作成し、ニスやウレタン、木工用ボンド、石膏などを用いて原型となる布を固める実験を行った。次に、それらの成果をもとに大型磁器作品制作に向けて躯体に布を張り、メディアで固定して布原型を作成し大型磁器作品を制作するための方法を試みた。初年度の実践研究としては、布を固定するメディア実験を中心に行い、大型化するための木製の躯体の作り方や布の張り方、その原型を用いての石膏使用型作り、排泥鋳込み成形、焼成までの一連の作業を通して工程ごとの問題点などを確認した。並行して、磁器作家として先進的に様々な素材を利用し独自の磁器作品を発表している板橋廣美氏への聞き取りを行い、型、異素材、陶磁器素材、成形、焼成に対する考えなどを知り、本研究の推進に向けての可能性を探ることができた。具体的には、異素材を利用する際に、その素材の特性をまず考え、どのような加工方法があるかを試みる中で、素材が持っている特性や魅力を陶磁器に置き換える手法をとっているという氏の考えは、今回の布を利用する手法と同様な視点であり、興味深いものであった。そのためにも布での多くの試作を行い、その形や表情を探る中から作品として成立するものを見つけ出していく必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の重要なポイントは、いかに布原型の魅力を保ったまま石膏へ転写し石膏使用型を制作することができるかである。まず、ニスやウレタンなど様々なメディアを用いて布自体を固める実験を行った。そこでは、メディアが布に浸み込んで硬化する際に平滑な面の歪が生じないことと、使用型制作時に変形しない強度を保つことが鍵となった。しかし、小さなサイズでの試作ではうまくいっても、サイズを大きくすることにより、当初は発生しなかった歪と焼成時のヘタリ・変形など様々な問題が発生した。予測はできていたことではあるが、躯体制作、布の固定、成形、焼成など予想以上に問題が多かったため、さらなる試作の必要性を感じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
継続して布を固定するためのメディア実験を行いながら、昨年度の聞き取り時に助言をいただいた布選定に立ち返り、研究を行う。同時に魅力ある磁器表現を行うために、原型として用いる布による形状をどのように作るかが重要となるため、木の躯体づくりと布の張り方の試作を進める。次に、その美しい形状を保つために、そのままでは柔らかく形状を保つことができない布を2023年度行った実験同様にメディアを用いて布自体を固め、その形状をどのように固定できるかを試みる。そのためには、布の厚み、材質、張り方、形状を固定するためのメディアの種類、塗布の方法などを実験的に試す必要がある。また、磁土は乾燥時や高温焼成の際に収縮し形が変わるため、原型は焼成後の素地収縮も考慮し約115%拡大して作ることや縦方向の収縮は、横方向の収縮よりも大きく焼成変形し落ちやすいので、躯体づくりの際、原型は求める形状よりもさらに高めに作るなど焼成後の形を想定した原型の形状を見つけ出し、扱い難い磁土を表現するための型作りの新たな方法の構築を進める。
|