音楽活動を通じた共創の場作り-知的障害当事者を含む参加者のアクションリサーチ
Project/Area Number |
23K00198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Kunitachi College of Music |
Principal Investigator |
三宅 博子 国立音楽大学, 音楽学部, 准教授 (40599437)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | コミュニティ音楽療法 / 音楽療法 / アクションリサーチ / 障害当事者の社会参加 / コミュニティ感覚 / 参加 / 共創 |
Outline of Research at the Start |
障害者の社会参加という課題の解決に向けた音楽療法では、当事者-家族-支援職-音楽療法士-地域住民等の関係者が与えられた役割を超えて価値観や経験を交換し、相互に変容し、新たな社会的=音楽的関係を結ぶ、共創的な場作りが必要である。本研究は、アクションリサーチの手法を参考に、知的障害当事者を含む音楽活動のメンバーが「自分たちにとって居心地のよい場所や活動や関係を①どのように作っていけるか②どのように社会に発信できるか」をテーマとし、協働による音楽活動の企画実施を通じて実践的に明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害者の社会参加という課題に対し、知的障害者および家族、支援職、地域住民等の協働による音楽活動の実践および研究を通じて、多様な人々が共に生きるコミュニティ形成に音楽が寄与する方法論の一端を明らかにしようとするものである。 本年度は、アクションリサーチの手法を参考に、音楽活動の〈計画〉〈実践〉〈発表〉〈振り返り〉からなる研究の第1サイクルを「おとむすび・おんがくクラブ」の参加者十数名と共に実施した。〈計画〉では、4月に本研究の趣旨説明および「研究参加のお誘い」プレゼンテーションを行い、メンバーの意向やニーズを尋ねた。5~7月の〈実践〉前半では3回の音楽ワークショップを行った。メンバーからアイデアを募り、互いの興味関心や特性が浮かび上がるような即興表現を試行した。また、音楽作りの枠組みや関係性を柔軟にする試みとして、屋外や地域支援センターなど複数の場所で行った。〈中間振り返り〉10月に振り返りの会を設け、活動参加にまつわる思いや今後についてグループ・インタビューを行った。互いの思いを聞く機会になったと同時に「活動を外に開いてみたい」などの展望も上がってきた。それを踏まえ、10~2月の〈実践〉 後半では4回のワークショップを行った。ゲストアーティストや見学者の参加を歓迎し、引き続き様々な表現を試した。〈成果発表〉活動を外に開く活動の一環として、2024年4月7日「音楽スペースおとむすび・5周年記念フェスティバル」にてパフォーマンス発表を行う。 本年度を通して、メンバーからは活動に参加することの意味や、他のメンバーの表現に接して気づきや発見があったというコメントがある。また、各メンバーの表現の特性を察し、協力し合って音楽表現を創り上げていく場面が度々見られている。このことから、参加メンバー間に「わたしたち」というコミュニティ感覚が育まれているものと推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の第1サイクルをほぼ予定通り行うことができた。この過程を経て、メンバーの参加の仕方が音楽活動への参加のみならず、徐々に活動全体のあり方を考える参加へと向かう意識が見られることから、研究全体としては概ね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2024年度は、1年目の振り返りを踏まえて、研究の第2サイクルへと向かう。発表会の経験を通して、メンバーから「私たちが大切にしたい音楽や場や活動のあり方とはどういうものか」についての意見が見られている。その内容を吟味しながら、参加者の意見を反映したコラボレーティブな活動作りを進めたい。 また、今年度までの成果を論文として公表することを目指すとともに、様々な学会や研究会等で発表し、討論の場を作っていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)