Project/Area Number |
23K00203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Shoin University |
Principal Investigator |
秋廣 誠 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50783114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 貴哉 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (50793866)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 結露 / メディアアート / シミュレーション / 芸術表現 / 視覚表現 / メディア・アート |
Outline of Research at the Start |
結露の成長に着目した新たな視覚表現手段を開発する。結露における水滴の成長の過程に、任意の図像が表出する過程を介在させる仕組みを、実験を通して構築する。この仕組みの構築を達成することで、芸術分野の主題選択と表現手段に、さらなる豊かさを生み出すことを狙う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不定な自然現象である結露の成長の特徴を保存しながら、任意の図像が浮かび上がってくる仕組みの構築を狙う。また、成果を他の芸術実践者が参照できるようにするものである。仕組みの概略は、成長(合体)過程にある水滴を、結露の過程にある金属板の微小孔の通気により、元図像に応じて、選択的に抑制するというものである。これにより連続して合体する水滴が、やがて図像を形成することになる。 研究の初年度である2023年度は、以下のことを行った。1)結露像を得る実験装置は、本研究の中核を成すものである。この装置のデザインを実施した。微小孔をもつステンレス製の実験基板は、複数回の試作を実施し、仕様を決定した。ステンレス基板の具体的な冷却方法も考案した。2)前述の実験装置とは別に、疎水性をもつ金属板支持体の下地加工及び薬液塗布の手法の実験、ならびに、水滴を付着させる実験を実施し、作品として、複数の展覧会で発表した。3)Processingによる、結露の合体成長(coalesced growth)をシミュレートするプログラムの開発に着手し、水滴の合体についての方法とアニメーションにおける表現などについて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微小孔をもつステンレス製の実験基板の孔部の寸法精度は、微細レーザー加工技術に依存しているが、加工コストと精度とのバランスについて、当初よりも慎重に見極める必要が生じた。このため、加工業者へのテストピースの製作依頼を、当初計画したよりも多く実施した。 コンピュータによる水滴合体のシミュレーションの開発では、合体によって引き起こされる、運動量を考慮した水滴の加速や、ぬれ性と表面張力からなる水滴の断面形状、ならびに体積、などを加味すれば、よりリアルな表現に迫れると感じた。すなわち追加のアニメーションのパラメータや、熱力学の知見の必要性を感じ、改めて、シミュレーションのアルゴリズムの整理を行った。 これらのことから、やや遅れている、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下のように研究を進める計画である。 1)結露像を得る実験装置のうち、ステンレス板は、2023年度に決定した仕様にもとづき製作する。未着手である冷却系と、水滴スポイラーの製作を進める。2)成長する水滴の断面をスチール撮影する。3)実験で得られた結露像と、実験パラメータの関係を一旦整理し、表現手段としての結露生成法の方向性やコンセプト、撮影方法等を、研究メンバー間で検討する。4)コンピュータによるシミュレーションのアルゴリズムについては、熱力学の文献などを調達して研究を進める。複雑な計算を逐次おこなうのではなく、事前計算したデータテーブルを参照するような仕組みを指向する。
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