近世近代をつなぐ私塾の蔵書形成に関する研究―井原市興譲館を例に―
Project/Area Number |
23K00302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀川 貴司 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (20229230)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 興譲館高等学校 / 蔵書 / 私塾 / 漢学 / 漢文学 / 書誌学 / 阪谷朗廬 |
Outline of Research at the Start |
岡山県井原市興譲館高等学校所蔵図書のうち、幕末に創立されてから明治時代(一部昭和戦前期)に至るまでに蓄積された漢籍・和本の蔵書(一部洋装本も含む)を対象に目録を作成、幕末から明治へと政治・社会が大きく変動するなかで、私塾がどのような学問・教育を行ってきたか、地域社会との関係はどうであったか、などを、書物を通じて明らかにすることで、漢学・漢文学・書誌学の知見を歴史学・教育学・図書館学等の近接分野へとつなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究対象である興譲館高等学校所蔵古典籍の調査を3回行った。第1回は9月12日から15日までで(単独)、調査カード37点を作成、重要箇所の撮影を合わせて行った。第2回は1月28日から1月31日までで(高橋智氏と共同)、調査カード40点を作成、同じく撮影も行った。第3回は3月4日から3月7日まで(高橋智氏と共同)、調査カード50点を作成した。以上、合計で127点の調査を行った。調査は、大きさ・装訂・料紙などの外形的な部分、前付・本文・後付の体裁や内容、刊記等出版に関わる部分、蔵書印・識語書き入れなど、所蔵者や享受の様相に関わる部分など、書誌学において必要なデータを漏らさず調査し、カードに記録した。また、必要に応じて他の本との比較のために主要部分の書影を撮影するなどして、目録作成の参考資料を蓄積した。 今回は、対象を昭和戦前期まで広げることにより、歴代館長と同時代の漢詩壇、特に岡山・広島周辺の地域的なつながりなどが、書物を通して明らかになった。 調査に際しては、本資金で購入したノートパソコンを持参し、前回までのデータを追加した蔵書目録のエクセルファイルを参照することによって、過去の調査データと対照しながら効率的に調査を進めることが出来た。 また、近世文人の交流の様相を示す資料、特に初代館長阪谷朗廬の師である古賀トウ(人偏に同)庵に関わる資料など、計4点を購入することができ、今後の研究の参考とすることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属機関における通常勤務や出張(定期的な調査先があり、年に合計3週間程度は古典籍調査のための出張が必要)の合間を縫って、3回の調査が出来たことは大きな成果である。ただし、2024年度中に全ての古典籍の調査を終えて目録を作成するには、もう少し調査点数を増やしておく必要があったかもしれない。引き続き出張の機会を持ち、場合によっては所属機関の経常費の旅費も加えて調査を加速させる必要があろう。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には対象となるすべての古典籍の調査をなるべく早めに完了し、そのデータを点検・分類して、年度末までに目録を作成する。ついで、2025年度は補足の調査を行いつつ、蔵書印等の画像の収集などを行い、蔵書の全体像を明らかにすべく、考察・分析を行い、目録と合わせて冊子にまとめる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)