A comprehensive historical study on the correlation between modern Japanese literature and historical stylistic concepts
Project/Area Number |
23K00313
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
多田 蔵人 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (70757608)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 永井荷風 / 島尾敏雄 / 泉鏡花 / 樋口一葉 / 国木田独歩 / 文体 / 江戸文学 / 近代文学 / 古典文学 / 文例集 |
Outline of Research at the Start |
日本の近代文学において、文学を記述する「文体」が果たした役割を通史的に解明する。永井荷風と紀行文や俳文の関係を中心に、矢野龍渓と演説、尾崎紅葉と言文一致文、正宗白鳥と翻訳、島尾敏雄と童話について、具体的な作品分析とともに各ジャンルの文例集の解析を行い、各時期の文章ジャンルにおけるルールと、文学作品独自の試みとの相関を解明する。また文体概念の実証的な研究基盤を確立するため、江戸後期から近代までの文例集の詳細書誌を、公共機関の調査によって作成する。本研究は文学作品における文体研究を実証化する方法を提供することで、日本近代の言語的多様性を解明し、他時代・他領域の研究との対話を可能にするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は文体史の中核的資料の収集につとめるとともに数次の口頭報告(講演含む)を行い、また昨年度の分析成果を発表することで、明治期から戦後までの作家たちの文体について、古典文化との交流を視野にいれつつ歴史的な位置づけを行った。調査先は関東近郊の諸機関のほか、天理大学附属天理図書館(奈良県)・鹿児島県立奄美図書館・徳田秋声記念館(石川県)など各地に及んだ。 国木田独歩に関しては論文を発表し、明治30年代における文体の多様性についての見取り図を描き、独歩がどのように言葉の歴史に向きあったかを分析した。講演と口頭報告について、矢野龍渓『経国美談』と演説文化の関連、樋口一葉については一葉小説における「共作」のありかた、永井荷風と明治期最大の出版社・博文館の関わり、泉鏡花と尾崎紅葉率いる硯友社の文体との関わり、島尾敏雄と太宰治の文体との関わりについて、講演・口頭報告を行っている。1年目の成果としては十分だったと考えている。泉鏡花に関しては岩波文庫『高野聖・眉かくしの霊』の解説で本研究課題の内容を含めて執筆し、樋口一葉についてはNHK教育テレビの番組監修にも携わり、わかりやすいアウトリーチにつとめた。 さらに鹿児島市立かごしま近代文学館・メルヘン館所蔵の島尾敏雄資料・梅崎春生資料のデジタル画像公開のための自筆資料撮影を行った。島尾・梅崎資料は2024年度中に国文学研究資料館「国書データベース」にて公開予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では一年目は資料収集を中心として進行する予定であったが、研究課題に関連する論考や口頭発表の依頼を複数いただき、かつご依頼いただいた機関の文庫調査がかなったこともあり、調査と成果発表を車の両輪として研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き資料収集につとめるとともに、論文・口頭発表、そして単著による成果公開をめざす。具体的には、永井荷風、泉鏡花、戦後文学について、それぞれ文体史に関する論考を発表する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)