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うつほ物語の総合的研究

Research Project

Project/Area Number 23K00316
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 02010:Japanese literature-related
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

大井田 晴彦  名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70313179)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Keywordsうつほ物語 / 王朝物語 / 日本文学
Outline of Research at the Start

本研究は、近年の進展めざましい『うつほ物語』研究を総合的・多角的に推進するものである。研究の柱は大きく三つに分けられる。(1)これまでの註釈の成果を踏まえ、さらに文学的な批評・鑑賞を重視した註釈の作成、(2)長大な『うつほ』を読み解くための指針となる、重要事項を集成、整理した辞典・辞典の作成。(3)広く一般読者に『うつほ』の魅力を伝える入門書の作成。この三つの柱を関連づけて研究を進める。長篇『うつほ』を対象とする本研究の遂行・完成には多大な労力と時間を要する。期間内では、物語のほぼ半分に位置する「沖つ白波」巻までを対象として研究を進める。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、近年進展のめざまし『うつほ物語』研究をいっそう推進すべく、新たな註釈と事典(辞典)の整備をめざす。こうした作業と並行して、2本の研究論文、2本の書評を発表した。論文「仲澄物語の位相」では、同母妹あて宮への許されない恋に悩み死へと向かってゆく源仲澄の物語を論じた。従来、あて宮とのあやにくな関係が強調されてきたが、仲忠との友情の観点からも論じた。また『伊勢物語』『篁物語』などの兄妹恋愛譚についても考察した。仲澄の物語はその死でおわるのではなく、死後も暗い影を落とし続けることも指摘した。研究代表者は早くから「『うつほ物語』作中人物覚書」と題する一連の人物論を発表してきたが、本論文もその一つである。論文「「労あり」「らうらうじ」攷」は、王朝文学の要語である「労あり」「らうらうじ」についての考察である。「労あり」は、『大和物語』あたりから見られ、『うつほ物語』で頻出するが、その分布は巻によって偏りがあり、「内侍督(初秋)」に集中する。人物の性格だけでなく、景物・風景にも用いられる。この語が繰り返され、語脈を形成し、結ばれなかった男女の恋を非日常の時空において結び直してゆく、長篇の転換点に位置する「内侍督」の主題と方法を明らかにした。また『うつほ物語』の「「らうらうじ」については、「清ら」「清げ」な「かたち」に対して心の美質をいう語であることを明らかにした。書評 宮谷聡美著『歌物語史から見た伊勢物語』」および書評「勝亦志織著『平安朝文学における語りと書記』では、『うつほ物語』や歌物語について幅広く論じたそれぞれの論著を、物語の研究の現在の地平から批評した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究遂行に必要な環境や資料は、これまでの蓄積もあり、着々と整備されてきており、比較的円滑に研究を始めることができた。現在は、首巻「俊蔭」からゆっくりではあるが、少しずつ地道に註釈作業や現代語訳を進め、また重要事項のデータ化・整理も行っている。また、『うつほ物語』に関する論文も2本発表することができた。本研究は、長期にわたるもので、完成までなお多くの歳月を要する。また不慮の事態によって研究が停滞する可能性もあるが、そのような場合でも余裕をもって柔軟に対処しつつ、堅実に遂行してゆきたい。

Strategy for Future Research Activity

『うつほ物語』の註釈作業を、少しづつ進めてゆく。具体的には校訂本文の作成、語釈、現代語訳、評釈などを総合的に行い、註釈の礎稿を作成する。また、これらの作業と並行して、重要事項(諸本、和歌や漢籍・仏典などの典拠、他物語の影響、史書との関連、作中人物総覧、和歌総覧など)の整理・分類を行い、将来の『うつほ物語事典』の基礎とする。また、これらの作業で得られた知見を生かし、研究論文を発表する。また、一般読者にも『うつほ物語』の魅力と面白さを伝える、入門書を執筆する。研究期間内の「沖つ白波」までの註釈作業完成をめざす。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024

All Journal Article (4 results)

  • [Journal Article] 「労あり」「らうらうじ」攷-『うつほ物語』の言葉と思-2024

    • Author(s)
      大井田晴彦
    • Journal Title

      言葉から読む平安文学

      Volume: 1 Pages: 59-73

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  • [Journal Article] 仲澄物語の位相-『うつほ物語』作中人物覚書-2024

    • Author(s)
      大井田晴彦
    • Journal Title

      名古屋大学人文学研究論集

      Volume: 6 Pages: 461-475

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  • [Journal Article] 書評 勝亦志織著『平安朝文学における語りと書記』2024

    • Author(s)
      大井田晴彦
    • Journal Title

      物語研究

      Volume: 24 Pages: 169-170

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  • [Journal Article] 書評 宮谷聡美著『歌物語史から見た伊勢物語』2024

    • Author(s)
      大井田晴彦
    • Journal Title

      国文学研究

      Volume: 199 Pages: 161-164

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Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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