Project/Area Number |
23K00317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
和泉 司 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (50611943)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 邱永漢 / 台湾独立運動 / 亡命作家 / 投資家 / 亡命 / 日本語 / 文学賞 |
Outline of Research at the Start |
日本統治下の台湾に生まれ東アジアで作家・投資家・起業家として活躍した邱永漢(1924-2012)の日本の文学及び社会に存在してきた国境と分野、二つの枠組みを超えた活躍した「越境性」に注目し、文学・文化・経済・政治・外交など様々な分野を跨いだ作家活動とそのテクスト群を分析・検証する。 邱永漢という日本語作家の存在が、東アジア社会の「越境性」という価値を、テクストの力で示してきた意義を確認する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究計画の1年目であった。 第一に、邱永漢に関する資料収集を行った。先行研究では精査されてこなかった台湾独立運動との関わりと影響について、詳細な分析をおこなうために、関連資料の収集に努めた。邱永漢が参加していた台湾再解放同盟や、その後継組織である台湾民主独立党、台湾共和国臨時政府に関する資料や、その主要メンバーだった廖文毅、簡文介に関する新資料を日本、台湾の各地で収集することができた。 第二に、邱永漢と深い関わりを持っていたと考えられる台湾独立運動家・簡文介についての詳細な調査を行った。関係者の協力を得て、簡文介の著作権継承者の方と連絡を取ることができ、台湾独立運動から離脱した後の簡文介の作家活動の詳細を明らかにすることができた。また、台湾での調査により、これまで不明確だった簡文介の学生時代の動向も資料を見つけることができた。これらは、論文「誰是簡文介?(簡文介とは何者か?)」として、台湾で公開されることが決定している。 第三に、投資家・コンサルタントとして活動していた邱永漢についての情報収集を行った。邱永漢が行っていた具体的な投資活動やコンサルタント活動について知るため、当時邱永漢が組織していた「邱友会」に参加していた方々と連絡を取り、インタビューを行うことができた。 以上のように、邱永漢とその周辺に関する調査は順調に進んでおり、論文や報告の準備もできている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年5月にコロナ対策による行動制限がほぼなくなり、海外渡航にも問題がなくなった。そのため調査や学会報告などのための渡航が行えるようになった。日本国内での移動も制限がなくなり、各地の図書館・資料館への調査が以前のようにできるようになったので、結果的に調査は順調に進んだ。 しかし、急激な為替変動によって、日本円が相対的に安くなった結果、研究計画を作成した時点とくらべて、経費配分が難しくなっている。そのため、今後は海外調査や学会参加などについて、予定通りにいかない可能性がある。その点を考慮しながら、計画を進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
上に書いたように、円安による影響を考慮し直した経費の使用を行う必要がある。その上で、今後は先行研究や本研究計画でこれまで検討されていなかった時代、1990年代から2000年代にかけての、インターネット黎明期の邱永漢の活動について調査・分析を行っていく。この時期の邱永漢はすでに70代に達していたが、インターネット活用には非常に積極的であり、その電脳空間で様々な活動を行っていたからである。ネット上で形成されたコネクションによって行われた事業も多く、それらが作家活動にどのように生かされたか。そして日本社会に与えていた影響についても考察していく。このようにして、邱永漢の活動を網羅していくことで、邱永漢の活動の全体像の論文化・書籍化も進めていく。
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