Project/Area Number |
23K00318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 秀樹 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (60252409)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 日本近世文学 / 自主規制 / 出版規制 / 三都出版法 / 浮世草子 / 禁書 / 筆禍 / 京阪出版法 / 享保改革 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、研究代表者がこれまでに明らかにした、全国規模における江戸時代日本の出版法制状況を踏まえて、そこからさらに進んで江戸時代の文学規制の実態についての考察を行おうとするものである。そして、文学に対する幕府の規制意識がどの程度、どのようにあったのか、規制される側は、幕府の出版規制をどのように受け止め、どのようにそれに応じたのか、ということについて、具体的史資料に即して実証的に解明しようとする。 本課題の研究実施に当たっては、あくまでも史資料的に明確に実証可能ないくつかの課題を定めて研究を進める。そして、それら史料の確認過程においてさらに他の事例が見出される可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
西鶴の浮世草子テクストが出版規制への対応を行っているのかどうかの問題を考えるに当たって、最も注意を払わなければならない先行研究であると思われる谷脇理史の自主規制論の再検討を行った。谷脇の自主規制論は、その前提として出版法を意識した規制についての論をふくむからである。多くの論を発表した谷脇は、三都の出版法がちがっていたとも、同様のものであったとも、個々の論文により述べていることにちがいと振れ幅があり、それらのいずれを谷脇の三都出版法認識としていいか、極めて定めがたい。しかしながら、結局のところ、谷脇がそれらを自主規制があり得たことの状況的根拠として用いる論の流れにちがいはなく、谷脇の多くの論文の本論が、個別作品における婉曲表現・ぼやかし表現のあり方について論じていることにもちがいはない。そして、それらが表現の解釈について論じることになっている以上、結局のところ、自主規制論は、方法的にはテクスト解釈そのものである。それがテクスト解釈である以上、解釈の適不適を定められる観点を見出さなければならない。 江戸時代中期の講釈師・馬場文耕の処刑一件については、史料の再点検作業中に、文耕以外の一連の処罰者に関する史料と同種の史料の存在に気が付いたために、その確認のための作業を開始した。また、その他の課題についても最終年度までの課題達成をにらんで、作業工程の確認を行った。 その他、京阪の出版法の個別発令状況を認識していたと思われる先行研究文献である『京阪書籍商史』の諸版の再確認、その出版元であった業界紙『出版タイムス』自体の記事確認を行い、それぞれに得るところがあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した課題に応じて、慎重に資料の点検を行い、行うべき作業が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
史料にもとづく実証的研究を行おうとする研究課題である。最も必要な推進方策としては、本研究課題に取り組む時間の確保に努めることに尽きる。そのように努力している。
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