The publication and reception of illustrated books in Kyoto from the early modern period to the modern era: the case of Nishikawa Sukenobu
Project/Area Number |
23K00326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Kyoto University of the Arts |
Principal Investigator |
石上 阿希 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (20516819)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 西川祐信 / 絵入本・絵本 / データベース / 出版文化史 / 京都 / 視覚文化 / 風俗・故実研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、西川祐信の絵本を対象として近世から近代の京都における図像を介した書物文化の受容史を明らかにする。 第一に、祐信絵本の主な享受者であった女性や子どもの教育・生活に与えた影響について考察を行う。 第二に、基礎研究の充実を図る。祐信の全作品年表の作成とモチーフの分類・索引化を行う。 第三に、近代における受容について考察する。祐信は江戸時代においても多大な評価を受けたが、その評価や影響を体系化した上で、近代の再評価の様相と対比させる。近代の時代考証家がいかに絵本類や古画を活用して実践的な故実研究を進めたのかという問題を主軸として、祐信の図像が近世と近代との文化の接続に果たした役割を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な目的は3点ある。(1)祐信絵本の主な享受者であった女性や子どもの教育・生活に与えた影響について考察を行う。(2)基礎研究の充実を図る。祐信の全作品年表の作成とモチーフの分類・索引化を行う。(3)近代における受容について考察する。祐信は江戸時代においても多大な評価を受けたが、その評価や影響を体系化した上で、近代の再評価の様相と対比させる。近代の時代考証家がいかに絵本類や古画を活用して実践的な故実研究を進めたのかという問題を主軸として、祐信の図像が近世と近代との文化の接続に果たした役割を明らかにする。 2023年度は(2)基礎研究作業と(3)近代における受容の分析を中心に研究を進めた。 基礎研究作業として、全ての絵本の序文の翻刻を行った。また、既に公開している作品目録(「西川祐信総合作品データベース」https://sukenobu.net/)の増補作業としてオンライン上で公開されている作品情報の収集し、メタデータを作成した。 近代以降の受容研究としては、国立国会図書館で調査を行い、明治~昭和初期の雑誌記事を対象に、西川祐信関連の論文や復刻本などの情報収集を進めた。この他、金沢の個人コレクターが所蔵する資料の調査を行った。本資料は祐信の『絵本浅香山』の図様を使って肉筆画としたもので、受容事例の一つとして重要なものである。また、江馬務・吉川観方の活動を中心に、近代京都における故実・風俗研究の概略・先行研究史をまとめた。参考文献のリストも随時作成している。さらに、歴彩館の所蔵資料を中心に、観方の日記や自伝などの資料を調査した。また、吉川観方コレクションの概要や歴彩館、福岡市立博物館、奈良県立美術館の所蔵や活用状況について情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[研究実績の概要]欄で挙げた主要な研究目的3点の内、(2)(3)について順調に進めることができた。 研究活動初年度のため、基礎的な活動が中心となった。先行研究史の把握や資料等の情報収集を積極的に進め、文献目録作成や重要資料の複写なども並行して行うことができた。 また、祐信の近代における受容に関する研究会を染織研究史が専門の加茂瑞穂氏と立ち上げた。月1回の研究会を定期開催し、近代京都における故実・風俗研究の活動に関する先行研究史の整理、江馬務・吉川観方の風俗研究活動のまとめ、京都府立大学・京都学歴彩館所蔵の吉川観方関連資料の調査などを行った。また、小袖雛形本、近世から近代の染織というテーマで石上は、加茂がそれぞれ講演会発表を行った。石上阿希「小袖雛形本で読む江戸のデザイン」、武庫川女子大学文学部第2回歴史文化講座、武庫川女子大学、2023年10月28日、加茂瑞穂「流行の創出―明治期のきものから」2024年2月9日、京染会館・京友禅協同組合連合会総合研修。 ただし、(1)祐信絵本の読者の様相や近世期の祐信受容については調査が十分に進まなかったため、次年度はより重点を置いて研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
総合作品目録の作業については、メタデータの確認と公開を進める。また、データベースサイトに新しい機能を追加したリニューアル版を作る。近代以降の受容研究については、テーマに沿った研究会メンバーを招聘し、研究会での発表や研究者間での情報共有を行う。祐信絵本の読書の実態や評価については、江戸時代の浮世絵師や文人などが残した随筆、日記などを対象に調査を行う。また、祐信絵本の諸本調査を行い、再印、再刻の状況を明らかにすることで流通、享受の実態を考察する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)
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[Book] 和本図譜2023
Author(s)
日本近世文学会
Total Pages
176
Publisher
文学通信
ISBN
9784867660256
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