Survey and research on Kabuki actors' performances at Koshu Kameyaza
Project/Area Number |
23K00328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
木村 涼 岐阜女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70546150)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 近世演劇 / 歌舞伎役者 / 甲州亀屋座 / 芝居興行 / 地方興行 / 甲州地域 / 亀屋座 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、三都の芝居小屋に所属している歌舞伎役者が、数多く出演した甲州亀屋座(現山梨県甲府市)興行を研究対象として、歌舞伎役者の地方興行の解明を目指すものである。 対象時期は、芝居小屋が、亀屋座と名乗っていた時期の明和元年(1764)から明治16年(1883)までのおよそ120年間とする。歌舞伎役者の亀屋座出演前後の動向も合わせて注視し、亀屋座興行の全貌について追究していく。そして、三都の歌舞伎役者における甲州亀屋座興行が、近世後期から近代の歌舞伎界全体にとって、どのような役割を果たしたのか、その意義についても考察していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、早稲田大学文化資源データベース内の演劇博物館データベースや立命館大学アート・リサーチセンター等をはじめとする各所データベースから甲州亀屋座興行出演役者関連の目録作成を行った。それを踏まえ、福岡市博物館、神戸市立博物館、京都府立京都学・歴彩館、山梨県立博物館、愛知県公文書館などを訪れ、甲州亀屋座における歌舞伎役者の動向及び芝居興行の具体的実態を把握すべく、それに関する史資料を調査、収集した。現在は、収集してきた史資料を整理、翻刻し、内容の検討、分析を行っている最中である。 次に、本研究に関わる学会報告をオンラインにて2件行った。まず、「第20回デジタルアーカイブ研究会」にて、「成田山開帳と地域アーカイブ」と題する報告(2023年6月11日)を、続いて「第21回デジタルアーカイブ研究会」にて、「寺院とアーカイブ事業 ―『新編 成田山史』を素材として―」と題する報告(2023年11月23日)を行った。両報告にて共通の対象とした成田山は、市川團十郎と深い縁を築いているが、これも含め自身の歴史事業をどのような形で地域社会の中で展開し、それが地域アーカイブにおいて有効的な役割・機能を果たしたのかについて考察した。また、第20回、第21回のデジタルアーカイブ研究会報告に先駆けて、報告内容を研究会論文集に掲載した。 他に、タイ国立チェンマイ大学人文学部日本研究センター オンライン学術講演会にて「能・歌舞伎に親しむ」(2024年2月7日)と題する講演を行い、私のこれまで取り組んで来た研究の一端を国際的に発信する機会に恵まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、まず、甲州亀屋座に出演した歌舞伎役者の情報を収集しようと、早稲田大学演劇博物館、山梨県立博物館所蔵の史資料調査をはじめ、自治体史の調査なども実施し、江戸時代における歌舞伎役者の亀屋座への出演年表を大凡作成することが出来た。今後は、引き続き、明治期における歌舞伎役者の亀屋座出演年表を作成していく予定である。この作業を行うことによって、甲州亀屋座における芝居興行を把握することができ、歌舞伎役者の亀屋座出演前後の社会背景なども解明することが出来る糸口になると言える。さらにまた、亀屋座出演役者について、次の段階で調査すべき諸機関や具体的な史資料についても明らかにできた。 本年度の成果に従い、次は、亀屋座に出演した当時の歌舞伎役者の地位や芝居出演に至った経緯、芝居内容に関する情報及びその評判など、役者や芝居そのものについて細部にわたり検討し考察を加えていく。さらに、甲州亀屋座に出演した歌舞伎役者が、山梨地域の人々にどのような影響を与え、なぜ支持を得られたのかなどの点も明らかにする必要があると考えられる。 このように本年度は、関連史資料の調査により、亀屋座出演役者の基礎的情報を概ね収集できただけでなく、次年度に行うべき調査や解明しなければならない幾つかの点も明確になりつつあるので、本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の本研究課題における推進方策は、前年度までに訪れた諸機関にて収集した史資料の内容の検討を行う作業からである。そして、考察を行った史資料については、その実態をまとめあげて、学会発表に向けての準備をしていく。学会発表によって得られた指摘を再度検討し、論文として調査成果を発信していくつもりである。 次に、本年度では史資料が収集しきれなかった愛知や三重地域の亀屋座関連史資料が所蔵されている諸機関を訪れ、江戸や上方に所属している歌舞伎役者の亀屋座興行出演前後の動向や具体的な芝居内容及び観客・贔屓をはじめ、実際に芝居を観た人々の受け止め方を明らかにしていくつもりである。その上で、亀屋座に出演した江戸・上方役者への支援形態の構造の解明にまで踏み込んでいきたい。 また、本研究は、三都(江戸・京・大坂)の芝居小屋に所属している歌舞伎役者が、頻繁に来演した甲州亀屋座興行を研究対象としている。したがって、亀屋座に関する史資料が最も残存していると考えられ、前年度に調査しきれなかった山梨地域の諸機関については、今後も継続しての調査を続行する。特に、明治期に入ってからの亀屋座興行関連史資料を中心に収集し、分析、検討していくことも今後の本研究に関する推進方策として掲げていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)