Project/Area Number |
23K00333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02020:Chinese literature-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
白石 將人 三重大学, 人文学部, 准教授 (60869816)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 説文 / 北朝 / 字統 / 中国語学 / 小学 / 中国学 |
Outline of Research at the Start |
『説文解字篆韻譜』を研究対象とする。本書には十巻本と五巻本が存在し、どれが徐カイの原著で、どれがその後に作られた徐カイの兄徐鉉による修訂本なのかについては、いまだ定論がない。この問題に対して、結論を与える。あわせて、『篆韻譜』十巻本および五巻本と『説文解字繋伝』の反切(音注)を比較分析して、それぞれの反切が指し示す音系の中国語音韻史における位置を確認する。また、『説文』およびその関連書籍は書法においても重視されたので、字書史だけではなく書法史における位置も視野に入れて検討を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、『説文解字篆韻譜』の研究に必要な基礎的資料の収集ならびに、『説文解字篆韻譜』研究に取りかかるためには、『説文解字篆韻譜』以前の中国の文字学の研究状態を理解しなければならないので、『説文解字篆韻譜』より以前の文字学の研究に重点を置いた。 基礎的な資料の収集としては、中国国家図書館に所蔵される『説文解字篆韻譜』の写本の写真の入手を試みた。『説文解字篆韻譜』以前の中国文字学の研究としては、北魏時代の陽承慶という人物の手になる『字統』という字書の研究を行った。『字統』に関しては、「陽承慶『字統』小考」(シルクロードと北朝時期固原区域文化国際学術研討会における基調講演、2023年7月18日)として、また「北魏陽承慶『字統』考」、第四回早期中国経典研究学術シンポジウムにおける研究発表(2023年12月17日)として中国の学会で発表する機会を得て、そこでもらった意見を参考にして、研究を進めることを得た。 また、『説文解字篆韻譜』以降の状況の関して、清代の『説文』学の研究を進めており、まもなく論文として発表することになっている。 また、近世の文字研究に関する日本語論文の翻訳作業を行った。これは、『説文解字篆韻譜』研究とは直接に関係のあるものではないが、『説文解字篆韻譜』以降の『説文』学の進展状況を本人が確認する上で有意義なものであった。本翻訳は本研究課題に関係するだけではなく、日本の研究状況を中国の学界に紹介する上でも有意義なものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況はおおむね順調に進展している。 『説文解字篆韻譜』の研究に必要な基礎的資料の収集をすでに開始している。『説文解字篆韻譜』研究に取りかかるためには、『説文解字篆韻譜』以前の中国の文字学の研究状態を理解しなければならないので、『説文解字篆韻譜』より以前の文字学の研究を進行させている。学問とは、研究対象の時代だけ研究すれば良いのではなく、前後との脈略が理解できてこそ、研究対象の位置が分かるという考えに基づくものである。 基礎的な資料の収集としては、中国国家図書館に所蔵される『説文解字篆韻譜』の写本の写真の入手を試みた。『説文解字篆韻譜』以前の中国文字学の研究としては、北魏時代の陽承慶という人物の手になる『字統』という字書の研究を行った。『字統』に関しては、「陽承慶『字統』小考」(シルクロードと北朝時期固原区域文化国際学術研討会における基調講演、2023年7月18日)として、また「北魏陽承慶『字統』考」、第四回早期中国経典研究学術シンポジウムにおける研究発表(2023年12月17日)として中国の学会で発表する機会を得て、そこでもらった意見を参考にして、研究を進めることを得た。 また、『説文解字篆韻譜』以降の状況の関して、清代の『説文』学の研究を進めており、まもなく論文として発表することになっている。 このように『説文解字篆韻譜』の前後の時代の研究を先に進めて、『説文解字篆韻譜』そのものを研究するための準備が整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
『説文解字篆韻譜』研究としては、最終的には『説文解字篆韻譜』それ自体の研究を当然ながら目指すべきである。しかしながら、研究対象の時代の前後の学問的脈略を理解することなしには、研究対象の学問の歴史における位置が分からないので、その時代の前後の関連書籍の研究を行うこともまた有意義である。したがって、今後も『説文解字篆韻譜』の前後の時代の研究をある程度は進めつつ、それに時間を取られすぎることなく、『説文解字篆韻譜』それ自体の研究も進めていく必要がある。今後は、このような作業の時間配分にも気をつけて、全体として研究課題を有意義な結果に終わらせる必要があることを認識し、またそれに対して必要な手段をとることを考えている。 まずは、清代の『説文』学に関する研究論文が、現在のところ査読が終了して、査読意見に基づいて論文内容を修整している段階であり、それの完成を目指すつもりである。また、本年度には科研費とは別の基金の招待によって中国に渡航する機会があるので、その際に資料収集や中国の研究者に意見をもらったりして、研究の全体の進捗に良い効果をもたらすようになるよう努めるつもりである。 また、次年度は最終年となる予定であるので、『説文解字篆韻譜』の前後の時代の研究を本年度中に終えて、次年度は『説文解字篆韻譜』それ自体の研究を重点的に進めるつもりである。それに必要な資料は大半はすでに準備し終わっているので、今後の研究を効率的に進める段取りは、ある程度整えられていると考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)