Project/Area Number |
23K00349
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 美津子 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (60073318)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | ロマン主義時代の女性作家 / アメリカ独立戦争 / アメリカ先住民 / アメリカ移住 / 米英戦争 / 植民地主義 / 帝国主義 / 北アメリカ植民地 / ロマン主義時代の小説 / ポストコロニアリズム / アメリカ移民熱 |
Outline of Research at the Start |
18世紀末から19世紀初頭にかけてのイギリスでは、かつてないほど北米植民地そしてアメリカ合衆国(以下、アメリカと表記)に対する関心が高まった。関心の高さはこの時期にイギリスで刊行された小説の半数以上がアメリカに関する事柄を主題にしている事からも窺われる。本研究の目的は、Robert Bage、Charlotte Smith などの急進主義作家や Charles Lucas、Mary Bruntonなどの保守主義作家の作品において、アメリカがいかに表象されているのかを、独立戦争、アメリカへの移住熱、先住民、英米戦争、自然風物に的を絞って、考察することである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
1770年代から1810年代にかけてのイギリスではアメリカを巡って様々な議論が巻き起こっていた。とりわけ、アメリカ独立戦争(the War of American Independence, Revolutionary War, 1775-83)、アメリカへの移住・移民(最盛期は1790年代)、アメリカ先住民(Native American)、米英戦争(the War of 1812, 1812-15)に関しては当時大変な関心を集め、その是非を巡って詩、小説、戯曲、政治評論、雑誌記事、風刺画などにおいて盛んに論じられていた。 本研究の目的は、ロマン主義時代に活躍したSamuel Jackson Pratt、Robert Bage、Charlotte Smith などの急進主義作家や、Henry Pye、 Charles Lucas、Mary Bruntonなどの保守主義作家の作品を取り上げ、独立戦争、アメリカ移住、先住民、米英戦争、原初の自然が作品中でいかに表象されているのかをポストコロニアリズム、フェミニズム、新歴史主義の観点から考察し、次いで当時の政治評論、紀行文、地誌などの多様な言説や諷刺画を援用して、表象の背後に潜む政治意識、民族意識、宗教意識を明確にすることである。 今年度は、初年度のため、論文は執筆できなかったが、講演は1回行った。タイトルは「仕事をもつ女性達─『自制』のローラ、『オドンネル』のシャーロット、『ワイルドホールの借家人』のヘレン」(日本ブロンテ協会、早稲田大学、6月)である。取り上げた3作品では自立した女性が活躍するが、とりわけBruntonの『自制』(1811)に描かれてい主人公ローラは異彩を放っている。彼女は北米大陸に拐かされた後、自力で北米大陸から脱出する。このエピソードを手掛かりにして、当時の北米大陸がいかに表象されているかを考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献収集や資料収集は、おおむね順調に進んでいる。初年度のため、論文執筆に関しては多少遅れを取っている。来年度は、今年度行ったMary Bruntonに関する講演を論文にするべく取り組む予定である。 学会発表に関しては、来年度は7月にジョンソン協会においてシンポジウムが、10月にはイギリスロマン派学会における講演が予定されている。それぞれ論文にする予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度とほぼ同じ手順でおこなう予定である。(1)本研究課題に密接に関わる作品を大英図書館、ケンブリッジ図書館などから、 マイクロフィルムや可能であ ればフォート・コピーの形で取り寄せる。18世紀関係の文献の場合は、ECCO(Eighteenth-Century Collection Online)でダウンロードする。(2)取り寄せたマイクロフィルムは現像し、製本し て読みやすい形態にする。(3)製本した作品を精読し、分析結果をカードに取り、必要に応じてデータをパソコンに打ちこむ。(4)アメリカ表象の際だっ た点を明確化するため、ロマン主義時代に刊行された旅行記、論評などを多数入手し、精読し分析する。(5)イギリスに資料収集に赴き、文献のさらなる充実を図る。
|