Contemporary English Novel and Narrative Style: Deconstruction of Traditional Story / Discourse Dichotomy
Project/Area Number |
23K00356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中尾 雅之 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (00733403)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 語りの時制 / 物語構造 / ストーリーとディスコース / 現在時制小説 / 話法 / 現代英語小説 / 語りのスタイル / 信頼できない語り / 現在時制語り |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、現代英語小説における語りのスタイルの一動向を、伝統的な「ストーリー・ディスコース」観の脱構築及びその言語的手法に着目しながら再考することである。本研究では、形式の異なる2つの語りのスタイル(イシグロの信頼できない語りとアトウッドの現在時制語り)を事例に、物語の主題が、語られた内容(ストーリー)から語る形式(ディスコース)へと移行していく現象を、その動機付けを考慮しながら追究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究実績の概要は以下の通りである。
①語りの時制と伝統的な物語構造の脱構築 近年増加傾向にある現在時制小説(語りの基本時制として現在時制が使用される小説)を事例に、現代英語小説が伝統的な物語構造(ストーリーとディスコースの関係)を脱構築するプロセス及びその言語的手法について考察した。具体的には、現在時制語りの先駆者であるマーガレット・アトウッドの作品(The Handmaid's TaleやOryx and Crake)やJ.M.クッツェーの作品(Waiting for the Barbarians)において、語り手が、ストーリー(語られた時間=過去)とディスコース(語る時間=現在)の時間関係を、慣例的な過去時制ではなく、現在時制で再現する動機及びその効果について考察した。今後、これらの考察結果を論文にまとめて、学会誌に提出する予定である。 ②現在時制小説のスタイル研究:話法を中心に 現在時制小説で使用される話法(speech and thought presentation)の量的・質的分析を、 ストーリーとディスコースの関係に着目しつつ、過去時制小説の話法と比較しながら行った。その研究成果の一部を、共著論文(Ambiguity Between Narration and Thought Presentation in Present-tense Novels: As Stylistic Evidence for the Deconstructed Story and Discourse)として、Peter Lang社より出版予定である(査読有り、掲載確定)。また今年度中に、現在時制小説における話法の文体特徴をより包括的に扱った研究を、John Benjamins社のLinguistic Approaches to Literatureシリーズから共著書籍(A Corpus Stylistic Approach to Contemporary Present-tense Narrative)として出版予定である(査読有り、出版確定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度中に、国際学会(Poetics and Linguistics Association)での個人発表と、現在時制語りの研究論文を2本執筆する予定であったが、研究、授業、育児のバランスを取ることが難しく、計画を実現することができなかった。来年度以降も、同じような状況に陥る可能性があるが、育児支援制度などをうまく活用して研究時間を確保し、研究成果を積極的に発表していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、昨年度に引き続き、ストーリとディスコースの関係に着目しながら、現在時制語り(マーガレット・アトウッドのディストピア作品を中心に)の文体特徴を分析し、その研究成果を国際誌に投稿したいと考えている。2025年度以降は、伝統的な「ストーリー・ディスコース」観を逸脱したスタイルとして、信頼できない語り(イシグロの初期三作品を中心に)の分析を始める。最終的に、現在時制語り・信頼できない語りを比較することで、伝統的な物語構造が脱構築されるプロセス(ストーリーではなくディスコースが主題化されるプロセス)とその動機づけをより包括的に考察していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)