Project/Area Number |
23K00361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
宮津 多美子 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (60509660)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ユートピア / ディストピア / 社会改革 / シャーロット・パーキンズ・ギルマン / 革新主義/進歩主義 / フェミニズム / ヘテロ父権制 / 産業資本主義 / 進歩主義時代 / シャーロット・パーキンス・ギルマン・ギルマン |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、19-20世紀転換期アメリカの女性によるユートピア小説の主題や文学史的意味を探り、その代表的な作品であるギルマンのユートピア三部作から、現代のディストピア的現実に対処するためのフェミニスト的社会改革の知見を得ることである。本研究の中心的な学術的「問い」は以下の3つである。
①アメリカの女性ユートピア小説はどのような代替の社会や価値観を提示しているか。 ②女性中心主義のユートピアはどのようにして平和や調和、包摂、自由、平等を実現しているか。 ③女性ユートピア小説による社会風刺・批判はヘテロ父権制(家父長制)にどのような示唆を与えうるか。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究計画では、シャーロット・パーキンズ・ギルマン (Charlotte Perkins Gilman) のユートピア研究の前段階として、アメリカ人女性初のユートピア小説であるメアリ・グリフィス (Mary Griffith) 著のThree Hundred Years Hence (1836) と19-20世紀転換期アメリカにおける女性ユートピア小説の研究を予定していた。前者については、グリフィスの父権制批判を主題とする論文を執筆したり、作品に描かれた社会改革構想について国内外の学会で口頭発表を行ったりするなど、一定の成果を出すことができた。しかしながら、後者については、テキストや参考文献の入手に時間を要し、本格的な研究に着手することはできなかった。代わりに、本研究課題の主要作品であるギルマンの代表的評論 Women and Economics (1898) やユートピア三部作の1作目 (Moving the Mountain, 1911) の研究に時間を割き、これらに関して研究実績を残すことができた。特に、19世紀末のアメリカで社会現象を引き起こしたベストセラーであるエドワード・ベラミー (Edward Bellamy) 著のユートピア小説 (Looking Backward: 2000-1887, 1888) とこの作品にインスピレーションを受けてギルマンが著したユートピア小説との比較研究に関する口頭発表では、ナショナリズム運動、ギルマンのフェミニズムやヘテロ父権制批判についての意見交換を通して、今後の研究への示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、計画していた革新主義時代のアメリカにおける、ギルマン以外の女性ユートピア小説研究は実施できなかったものの、アメリカ人女性初のユートピア小説 (Three Hundred Years Hence) 研究に関しては国内外で研究発表を行うなど、一定の研究実績を挙げることができた。また、今後、本格的に取り組む予定のギルマンのユートピア三部作の研究に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、昨年度、実施できなかったギルマン以外の女性作家によるユートピア小説研究を通して、当時のアメリカ人女性の社会改革に対する意識を探りたい。特に、それぞれの作家の人生経験と作品内での代替社会のデザインとの関連に注目して、革新主義時代の人々(特に女性)の社会改革への動機付けを明らかにしたい。さらに、ギルマンユートピア三部作の1作目 (Moving the Mountain) の研究を深化させながら2作目 (Herland, 1915) の研究にも着手したい。
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