Project/Area Number |
23K00379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
エグリントン みか 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (50632410)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | シェイクスピア / 日本 / アジア / 宮城聰 / 王景生 / 疫病 / コロナ / 舞台芸術 / オン・ケンセン |
Outline of Research at the Start |
黒死病の流行によって封鎖された都市と劇場の渦中で執筆を続けたシェイクスピアの死後から約4世紀後に出現した新型コロナウィルスによって、世界中で劇場が閉鎖されただけでなく、演者が生身の身体を観客の前で晒しながら一定時間を共有するという舞台芸術の前提が覆された。本研究は、シェイクスピア時代の疫病と演劇の関係を参照しつつ、「時代を映し出す鏡」とされてきた演劇が、鏡の形式と役割をいかに変容させ、何を映し出すのかを、英国同様にユーラシア大陸から切り離された日本の演出家である宮城聰と、洋の東西が合流する都市国家シンガポールの演出家である王景生というアジア圏を代表する二人の活動に焦点を当てつつ考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
5月に関東学院大学関内キャンパスで開催された日本英文学会第84回全国大会のシンポジウム第4部門「ブレグジットと英文学」(メンバー 中井亜佐子、三村尚央、星野真志) において、「ブレグジットを映し出す鏡としての視覚超芸術」を発表した。8月にはベルギーのゲント大学で開かれた国際演劇学会European Association for Japanese Studiesにおいて、'Tis in my memory lock'd" how the pandemic shaped Satoshi Miyagi's 2021 Hamlet’を英文発表した。 シェイクスピアの悲劇『ハムレット』を、現代のニューヨークに生きるオフィーリアの視点から翻案したポーランド系アメリカ人マグダ・ロマンスカによる多言語戯曲集Opheliamachineの和訳を担当し、Methuen Dramaから出版した。 業績表には挙げなかったものの、静岡舞台芸術センターへの英語戯曲などに加え、英字新聞The Japan Timesに2023京都国際舞台芸術祭(KEX)のプレビュー記事、同じくKEXに招聘されたバック・トゥ・バック・シアターについてのプログラムノート、1960年代から半世紀に渡りインターカルチュラルシアターを牽引してきたAriane Mnouchkineの来日公演「金夢島」についてのプレビュー‘Cultures collide in Ariane Mnouchkine's Sado Island-inspired play’、新たな演劇言語を生み出そうとする岡田利規主催の「外国語」演劇についての記事‘Chelfitsch challenges Japanese theater's language barriers’と、日本の演劇業界の今を掴む記事を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Arden Shakespeare in the Theatre: Miyagi SatoshiはBloomsburyと既に出版契約を結び、執筆中である。公務に加え、コロナ禍での出産と、現在も続く双子育児と介護など私的な要因によって研究時間が激減したものの、宮城聰氏の作品には、応募者自身が過去20年間の間に翻訳家、批評家、ドラマターグとして参加し、ク・ナウカ時代から現代至るまで、氏の活動の節目でインタビューをとり、リサーチは終わっていることから、この評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
Arden Shakespeare in the Theatre: Miyagi Satoshiの執筆と編集を2024年度中に終わらせ、出版にこぎつける。 アジア各国のシェイスピア演劇を多言語翻訳付きで映像収録したオンラインアーカイブ Asian Shakespeare Intercultural Archive(ASIA)に出版される、王景生演出の『リア』(1997年初演) に注解をつけるプロジェクトの編集者を担っている。王演出のシェイクスピア三部作を含むASIAのアーカイヴにさらなる厚みを加えるこの作業を通して、シンガポールにおけるコロナ禍と演劇の関係性を比較分析していく。 レイモンド・ウィリアムズ研究会から依頼を受けた共著「(仮題)長い20世紀の文化研究 遍在する〈ソーシャリズム〉」に、昨年2023年5月に開催された日本英文学会のシンポジウムで発表したシェイクスピアを中心とする演劇界と英国離脱についての論文を改稿して発表する予定である。 引き続き、英字新聞The Japan Timesなどに寄稿し、舞台芸術の現在進行形を追いながら、日英翻訳活動を続けていく。現在、岸田戯曲賞作家・加藤拓也氏の2024年秋に行われるロンドン公演の翻訳とドラマターグを共同担当している。宇宙をも「地球化」し、地球のみならず人間自らを滅ぼす植民地主義と、21世紀においても乗り越えられない、生殖に見る男女間の不平等と不公平について、宇宙という舞台上の仮想空間で行われる実験プロセスを記録し、言説化していく予定である。
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