Project/Area Number |
23K00384
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
内野 儀 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (40168711)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 演劇の公共圏 / パフォーマンス研究 / 演劇研究 / 公共劇場 / ドイツ演劇 / アメリカ演劇 / フェスティバル文化 / フリーシーン / 公共圏 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「演劇の公共圏」というChristopher Balmeが2014年の著書で提唱した重要な概念を手がかりにして、次の三つの領域を扱う。(1)公民権運動とのかかわりにおいて出現してきた1960年代以降の実験的演劇の「公共圏」。(2)欧州の公共劇場をモデルにして、1960年代以降にアメリカの各地に設立される非営利のリージョナル・シアターの「公共圏」。(3)劇作家のテクストが想定する「公共圏」。 このように本研究は、近年にわかにその重要性が一般社会のみならず、社会科学の諸分野でも重要視されるにいたる「公共圏」という概念を新たな学術的概念として、アメリカ演劇の分析と歴史記述を行うものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者がこれまでの研究のキャリアで積み重ねてきた現代アメリカ演劇を中心とした演劇研究の集大成として構想される。そのとき、「演劇の公共圏」というChristopher Balmeが2014年の著書で提唱した重要な概念を手がかりにする。言い換えれば、大陸ヨーロッパ中心主義的概念である「演劇の公共圏」が果たしてアメリカ合衆国の演劇に適応可能な概念なのかを、歴史的・実証的に検証することが本研究の目的である。 具体的には、次の三つの領域を対象とする。(1)公民権運動とのかかわりにおいて出現してきた1960年代以降の、劇場での上演に必ずしもこだわらない実験的演劇の「公共圏」。(2)欧州の公共劇場をモデルにして、1960年代以降にアメリカの各地に設立される非営利のリージョナル・シアターの「公共圏」。(3)劇作家が上演を目的としてテクストを書くことにおいて、その上演が形成する「公共圏」である。 初年度は、ベルリン自由大学の演劇研究所所長のMatthias Warstat教授が受入先になり、現地で1年間の研究交流を実施した。そこでは、Balmeが記述したようなドイツ語圏公共劇場における「演劇の公共圏」が現時点でどのような展開になているか、ベルリンを中心とした各地で現地調査を通じて、その概念のアップデートをする作業を行った。従来の公共劇場VSフリーシーンで二元的に現象していたドイツ演劇の「公共圏」について、ドイツを含む欧州圏におけるフェスティバル文化が、そこと「交錯」しつつ、さらに複雑化の様相を見せていることが、多様な舞台に言質で接することで、体感できたことが大きな収穫であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおりに、初年度はドイツ・ベルリンにおいて研究活動を行えたので、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
いわゆる円安や物価上昇のために、アメリカ合衆国における実地調査に困難を来す可能性が、次年度より出てきた。ネット会議等を通じて、実地調査なみの知見を得ることができるかどうか不明ではあるが、次年度以降、そのような工夫が本研究には必要とされている。
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