Project/Area Number |
23K00389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
森岡 裕一 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (20135635)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 禁酒物語 / ルシアス・サージェント / 家庭小説 / 感傷主義 |
Outline of Research at the Start |
19世紀アメリカで大量に発行された禁酒物語は禁酒運動の重要な一環でありながら同時期に書かれた家庭小説の影に隠れてあまり注目されてこなかった。理由はテクスト入手の困難さとそのプロパガンダ色であろう。しかし、アメリカ19世紀を彩る奴隷解放、女性解放、禁酒運動という三大解放運動は密接に関連し担い手も重複する部分が多いため、比較的研究が手薄な禁酒物語はもっと注目されてしかるべきだろう。本研究では、他の二つの解放運動を視野に入れながら、禁酒物語に焦点を定めその解放のレトリックとイデオロギーを解明する。その際、家庭小説との関係性や本質的に家庭の物語である禁酒物語に付随するジェンダーの問題にも着目したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年4月末に大出血を伴う緊急事態が発生し、二度の手術を経て4か月半にわたる入院生活を強いられ、その後のリハビリをふくめ、研究に大幅な支障が出てしまった。8月に予定していたアメリカ出張もキャンセルを余儀なくされ、計画の大幅な見直しを迫られた。 3月には何とかシカゴ、ミルウオ―キ―への出張をはたし、ドイツ系移民の当該地区での酒醸造活動の歴史を調べたり、禁酒物語テクストの調査を行えたのは大きい。シカゴ大学、ウイスコンシン大学、ニューベリー図書館での調査により、NARRATIVE OF CHARLES T. WOODMAN(1843)やWALTER WOOLFE, OR THE DOOM OF THEDRINKER(1847)などの資料を収集できたことは大きな成果である。 年度の後半に体力が戻りつつある状況下、これまで集めた資料の分析も続けている。とくに、著名な職業的禁酒物語作家の一人、Lucius M. Sargentの作品の調査を集中的に実施している。代表作TEMPERANCE TALES(1847)の分析をはじめ、各種の伝記、THE BOSTON TRANSCRIPT紙を中心に展開されたEmersonやGarrisonら奴隷解放運動家攻撃などの言説にみられる思想を抽出し、サージェントの禁酒物語に通底するイデオロギー解明をめざした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
4月末に大量出血で緊急入院し、二度の手術を経て4か月半にわたる入院生活を送り、その後もリハビリ生活を余儀なくされたことによる研究計画の変更を余儀なくされたことが大きい。8月に予定していたアメリカ出張をキャンセルせざるを得なかったことも大きな理由である。後半で体力が戻りつつある中、それまで進めた資料の分析を積極的に行い、計画の遅れを最小限に留める努力をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き資料収集を続けるとともに、資料の分析を継続する計画である。とくにLucius M. Sragentoに焦点をあて、彼の禁酒思想の解明をめざす。これまでT.SArthurやHarriet Stoweの禁酒物語の分析を進め、また、女性禁禁酒物語作家の作品を通じてジェンダーの視点から禁酒物語卯のイデオロギーの解明を進めてきた。今後は保守的男性作家サージェントの作品分析を通して、その思想をさぐり、さらに禁酒物語の違った側面に迫りたい。彼は職業的禁酒物語作家として有名だが、同時に、Emersonや Garrison などリベラルな奴隷制廃止論者を攻撃したことでも知られる特異な人物でもある。彼の代表TEMPERANCE TALES(1847)と、各種伝記、THE BOSTON TRANSCRPTを中心に展開された論争を比較考察することで、サージェントの禁酒イデオロギーにアプローチしたい。
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