Project/Area Number |
23K00412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中西 佳世子 京都産業大学, 文化学部, 教授 (10524514)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 19世紀アメリカ / ミンストレルショー / 海軍艦上劇 / ナサニエル・ホーソーンj / マシュー・C・ペリー / 日本開国 / 立石斧次郎 / ジャパニーズ・トミー / ナサニエル・ホーソーン / 異文化交流 / ミンストレル |
Outline of Research at the Start |
本研究は、19世紀アメリカ文学におけるミンストレル的表象と、同時期にアフリカ、アジア、ハワイ、南太平洋の諸地域でアメリカ海軍が異文化交流の手段として用いたミンストレル・ショーとに共有される「笑い」と「階級化」の構造に注目し、ミンストレルを通して伝えられたアメリカ文化がどのように異人種/異文化に受容されたかを考察する。また、アンテベラムの文化的特徴を19世紀アメリカ文学におけるミンストレル表象から読み取り、その文化的特徴がミンストレル・ショーを通して海外に伝播される際に文化交流の最初の接点でいかなる「化学反応」が起こり、その後の交流の性質にどのような影響を及ぼすことなったのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は19世紀アメリカ文学におけるミンストレル的表象と、同時期にアメリカ海軍がアフリカ、アジア、ハワイ諸地域で行った艦上劇のミンストレルショーとの間で共通してみられる「嘲笑」と「階級化」のしくみを明らかにしようとするもので、ミンストレルショーの海外輸出とアメリカ文学におけるミンストレル的表象に着目し、「秩序」と「制度」の固定化を急ぐ19世紀中葉のアメリカの文化的特徴を考察している。令和5年度は開国直後の日本における黒人認識と同時代のアメリカのミンストレルにおける日本人表象、フィジーで行われたアメリカ合衆国探検遠征隊のミンストレルショーに注目した。 1)資料の読み込みと分析 ErskineのJournal of a cruise among the islands of the Western Pacific. With maps and plates、CanneyのAfrica Squadron: The U.S. Navy and the Slave Trade 1842-1861を中心に資料の読み込みと分析を行った 2)講演、発表 ①京都産業大学「ことばの科学研究センター」2023年度研究会講演(6月)②甲南大学での日本英文学会関西支部でのシンポジウム(7月)③立命館大学英米文学会年次大会講演(7月)④多民族研究学会全国大会講演(12月)を行った 3)出版 『ロマンスの倫理と語り』(論集)に収録の論文を執筆した 4)研究会 ホーソーン作『おじいさんの椅子』の翻訳出版に向けて大野氏(東京海洋大)と髙尾直知氏(中央大)とでオンラインによる研究会を進めた 5)フィジー博物館、図書館、文化史跡で調査を実施(8月)。植民地時代の建造物を視察し、1838年~1840年に行われたウィルクスのアメリカ合衆国遠征隊に関する資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外での調査を実施し、研究成果を複数の招待講演で発表し、段階的に内容を発展させることで、新たな視点を得た。また、研究テーマに関する出版を行い、次の翻訳出版の研究会も進んでおり、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、アメリカ海軍の遠征によって「輸出」されたミンストレルショーの人種差別的な「笑い」がその後の異文化交流に及ぼした影響を現地側の視点に注目して考察を行ってきたが、今年度の講演で言及した、日本の開国時における黒人認識と日本人を「黒人」として受容したミンストレルショーとの接点の考察をさらにすすめる。具体的には1)19世紀アメリカのミンストレルショーに関する文献、アメリカ文学におけるミンストレル表象、海軍によるミンストレルショーに関する文献参考文献の読み込みと作品分析 2)東京海洋大学大野美砂氏、中央大学髙尾直知氏とすすめているナサニエル・ホーソーン『おじいさんの椅子』の翻訳出版の準備 3)日本ナサニエル・ホーソーン協会関西支部12月例会での発表 4)日本英文学会誌掲載の書評の執筆(『改革が作ったアメリカ―初期アメリカの展開』小鳥遊書房、2023年) 5)国内調査(東京大学図書館(大日本古文書シリーズ:幕末関係古文書)、横浜開港資料館などのペリー艦隊の寄港地におけるミンストレルショーの記録)での資料収集 6)海外調査(ニューヨークなどの港湾地区のミンストレル劇場など)の資料収集 7)その他、適宜調査内容の発表・講演を行っていく。
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