カナダ文学にみる水と先住民の表象―レジリエンス構築にむけて―
Project/Area Number |
23K00415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
岸野 英美 近畿大学, 経営学部, 准教授 (90512252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 淳子 名古屋外国語大学, 現代国際学部, 教授 (20437453)
佐藤 アヤ子 明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (70139468)
荒木 陽子 敬和学園大学, 人文学部, 准教授 (90511543)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 先住民コミュニティー / 水質汚染 / 水俣病 / Keepers of the Earth / Thomas King / ドキュメンタリー / カナダ資源開発 / カナダ環境文学 / カナダ先住民 / 水の表象 / カナダ先住民の口承文学 / 水に関するエコクリティシズム |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、生命の源である「水」を、先住民たちが古来よりいかに大切にしてきたかをカナダ文学に探ることである。具体的には水と先住民の二つの関係性とそこに付与された象徴性を考察しながら、人種的、経済的に不均衡な社会を生み出してきた人間とその活動への抵抗を読み取り、水と先住民をめぐるカナダ文学作品が地球環境の危機的状況を生き延びるうえで私たちにいかなる示唆を与えているかを追及していく。なお、本研究ではメンバーの専門性をいかし、先住民作家だけでなく、カナダのアジア系やヨーロッパ系作家の作品も取り上げる。彼らが描く水と先住民の関りを横断的に考察しながら、カナダの環境文学の特性を示していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、主に国内外での関連資料・情報の収集と精査を行った。岸野と荒木は9月にオンタリオ、マニトバ、サスカチュワンにて現地調査を実施した。カナダの水俣病や、ウラン、ニッケル等の資源開発に関わる施設や先住民コミュニティーを訪れた。3月には荒木が所属する敬和学園大学で開催された研究会にて、カナダの水俣病と新潟水俣病について議論を行った。室はカナダの先住民コミュニティーにおける水質汚染の現状をめぐって、統計、新聞、オンラインセミナー等を通じて情報収集を行った。また、Joanne RobertsonらのThe Water Walker (2017)等の絵本、Stevie SalasらのBoil Alert (2023)等のドキュメンタリー、Thomas KingのThe Back of the Turtle (2014)等の小説に注目し、現代の先住民たちがどのように水や環境に関する問題を捉え、発信を行っているのかを考察した。佐藤はMichael J. Cadutoと Joseph Bruchac編集のKeepers of the Earth(1989)に収録されている〈水〉に関する北米先住民の物語が今日の読者に教示する事柄を分析し、現代の先住民作家が描く環境問題を扱った Dave Bouchard とRoy Henry Vickers著の絵本、The Elders are Watching(1993)もあわせて考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に示した通り、岸野と荒木は現地調査を行うことができた。国内ではあるが、室と佐藤も関連する多くの資料と情報を収集し、作品考察に着手することができた。以上より、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度、岸野は日本とカナダの水俣病問題の解決に向けて行動したAileen Smithに注目する。作品と関連資料をまとめ、日本アメリカ文学会関西支部例会で発表する予定である。また日本カナダ文学会年次大会の特別講演に、カナダの湖水地方ノースウッズを拠点として撮影を続ける写真家の大竹英洋氏をお招きする。大竹氏には、自然に適応しながら水辺で生きる野生動物や、何千年もの間、狩猟採集の暮らしを営んできた先住民アニシナベとの交流を語っていただく予定である。他のメンバーもそれぞれが担当する作家・活動家の作品考察を進めていく。一方で現在、日本カナダ学会の出版企画(『カナダ文化事典(仮)』)にメンバー全員が参加している。先住民や環境文学、大衆文学、アトウッド作品等についてそれぞれ執筆し、完成を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)