Project/Area Number |
23K00426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
藤原 真実 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (10244401)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 美女と野獣 / バラ / ヒュプネロートマキア・ポリフィリ / アプレイウス / 典拠研究 / 『黄金のロバ』 / 『薔薇物語』 / 背景描写 / 妖精物語 / パランプセスト / テクスト相互関係性 / 17-18世紀フランス文学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、フランスで1695年から1740年までに書かれた妖精物語の主要な作品を精読し、典拠として用いられた文献を探し出し、テクストに層をなして潜在する先行テクストを掘り起こすことにより、多数の妖精物語が古典古代から17世紀までの文学テクストとの対話的関係性のなかで書かれ、変貌し、生成を繰り返してきたことを示すことをとおして、妖精物語がきわめて文学的なテクストであること、共同作業としての著述行為、共有物としての作品の概念が17-18世紀フランス文学に広く浸透した文学性であることを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヴィルヌーヴ版『美女と野獣』では、バラのほかにオレンジとギンバイカが背景に描かれるほか、小鳥や鸚鵡、さまざまな種類の猿、大水路、噴水、花火などが登場して、いずれも重要な役割を与えられている。先の論文で明らかにしたように、それらのモデルはすべて17世紀後期から18世紀初めにかけてヴェルサイユに実在していたが、ヴィルヌーヴ夫人は実際にそれらを見て書いたのではなく、先行する複数の著作のなかに見出される記述を参照して書いたと考えられる。本年度は同著作のなかで最も重要な役割を与えられているバラに焦点を当て、同著作をあらためて精読してその意義を明らかにした上で、それにも非常に豊かな典拠が見出されることを、ギリシア・ローマ、中世、ルネサンスのイタリアおよびフランスの文献調査を通して明らかにした。その成果を紀要論文に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究対象とする著者(ペロー(Charles Perrault : 1628-1703)、ドーノワ夫人(Marie-Catherine Le Jumel de Barneville, baronne d’Aulnoy : 1652-1705)、ベルナール嬢(Catherine Bernard : 1662-1712)、ミュラ夫人(Henriette-Julie de Castelnau, comtesse de Murat : 1670-1716)、ヴィルヌーヴ夫人(Gabrielle-Suzanne de Villeneuve:1685-1755)、ボーモン夫人(Jeanne-Marie Leprince de Beaumont:1711-1776)の著作の中から対象テクストを選定して精読する作業については、特にヴィルヌーヴ夫人の著作について進めることができた。また第二として、研究を進めているヴィルヌーヴのオリジナル版『美女と野獣』について、その典拠を古典古代からあらためて洗い出して論文にまとめることを計画していたが、特にバラのテーマとその典拠を、ギリシア・ローマ、中世、ルネサンスのイタリアおよびフランスの文学のなかに見出してまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は引きつづき研究対象となるテクストの精読と分析を行い、その成果を論文として発表する。また『美女と野獣』についての前年度の成果などをまとめてフランス語論文として発表すること、日本語の著書として発表することを目指して準備を進めていく。
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