民族的マイノリティの女性のライフ・ライティング――テキスト分析と聞き取り
Project/Area Number |
23K00458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02050:Literature in general-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大池 真知子 広島大学, ダイバーシティ&インクルージョン推進機構, 教授 (90313395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 尚枝 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50403499)
宋 恵媛 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (60791267)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ライフ・ライティング / 中国帰国者 / 在日コリアン / ウガンダ / ジェンダー / 民族 |
Outline of Research at the Start |
「メモリーブック」とは、ウガンダでHIVとともに生きる母が書いてきた家族の記録である。本研究は、ウガンダの民族的マイノリティの女性、日本在住の中国帰国者(戦争末期からの混乱で中国に残留した孤児や女性で、日中国交回復後に永住帰国した人)の女性、在日コリアンの女性が、メモリーブックを執筆するのを支援する。テキストを文学的に精読するとともに、ライフストーリーを社会学的に聞き取って、声が聞かれづらい民族的マイノリティの女性が差別のインターセクションで生きる生活世界を明らかにすることを目指す。同時に、草の根の文学実践として、メモリーブックというライフ・ライティングの特質を明らかにすることも目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
社会福祉法人「中国帰国者支援交流センター 中国・四国センター」とNPO法人「京都コリアン生活センター エルファ」を訪問し、だれがメモリーブックを書くか、どのように書くか、研究者と支援者がどう関わるかについて検討し、執筆方針をおおむね決定した。 中国帰国者の場合は、自力で書けそうな若干名に河本(研究分担者)がアプローチし、書いてもらうこととした。支援交流センターと帰国者の関係がそれほど密ではないため、また、河本がすでに利用者と関係を構築しているためである。 在日コリアンの場合は、エルファの職員が利用者の執筆を支援することとした。エルファと利用者の関係が密であり、また、エルファも利用者の生活記録を残すという事業に積極的なためである。また、エルファが関わる高齢者の教室で、利用者が集団で執筆を行う形も、来年度模索することとした。 一方、ウガンダでは、ワークショップの企画をする予定だったが、カウンターパートの都合により実現しなかった。来年度は実現可能性を見極め、難しいようなら日本での活動を中心に行うよう変更する。 また、当初の計画にはなかったが、外国人実習生が入国後の研修期間中に書いている作文を収集、分析するという研究も加えることとした。広島市の協同組合「技術者育成協力会」が実施する研修で、実習生が20回ほど作文を書いている。これらは貴重な史料だが散逸の危機にある。そこでメモリーブック的な視点から、作文のテーマをよりパーソナルにするよう提案すると同時に、作文のデータを収集し、分析することとした。また、個人情報を適切に保護した上で、文集として簡易出版することも検討中である。メモリーブックから派生したボディマッピングというライフライティングの手法も組み合わせて、外国人実習生の生活世界を明らかにするとともに、文集として保存する道を模索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、ウガンダでワークショップを実施する計画だったが、ウガンダのカウンターパートの事情により実現できなかった。 中国帰国者と在日コリアンについては、関係者と連絡を取り準備を進めているが、じっさいの執筆には至らなかった。 一方で、当初の計画にはなかったが、技能実習生の作文という文学活動も、研究対象に加えた。
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Strategy for Future Research Activity |
ウガンダのワークショップについては、来年度中に実現可能性を見極め、難しそうなら日本での活動を中心に行う。 中国帰国者の場合は、書き手として最適と判断される人物が健康上の理由で、2023年度中に執筆に至らなかった。彼女は帰国者の活動のリーダー的な存在なので、彼女から試験的に執筆を始めるのがスムーズであり、今後もその方針で進める。ただし、この第一候補者の状況によっては、他の候補者にもアプローチすることも検討する。地道に候補者にアプローチし続ければ、研究期間中に数冊は書けると予想する。 在日コリアンの場合は、支援団体「エルファ」と連携しながら、職員が個別に支援する執筆とグループライティングの両方を進める。個別支援により、研究期間中に数冊は書けると予想できる。また、グループライティングの方は、「どのような書き方なら書けるのか」を探ることで、在日コリアン特有の困難と強みを明らかにできると予想する。期間中にグループライティングの効果的なやり方を見つけ、エルファの活動に取り入れることを目指す。 技能実習生の作文については、ボディマッピングともあわせながら、文集の簡易出版を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)