Project/Area Number |
23K00489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田嶋 圭一 法政大学, 文学部, 教授 (70366821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 真冬 上智大学, 外国語学部, 教授 (00343301)
米山 聖子 大東文化大学, 外国語学部, 教授 (60365856)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 音声産出 / 音声知覚 / 外国語学習 / 強勢 / 長短対立 / 韻律 / プロソディー |
Outline of Research at the Start |
外国語の習得において困難とされるリズムやアクセントなど音声の韻律的な特徴について,英語と日本語を主な対象言語とし,一方の母語話者が他方の言語を発話または聴取した時に直面する困難や母語話者との差異を,音声データベースの解析や音声産出・知覚実験などを通して実証的に検討する。日本語話者による英語強勢の産出,英語話者による日本語長短母音の知覚などを調査し,外国語プロソディーの産出・知覚・学習の実態を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,外国語の学習において多くの困難を伴う音声の韻律的な特徴の産出および知覚について,音韻体系が対極的に異なるとされる英語と日本語を主な対象言語とし,両者の韻律的特徴の差異を整理した上で,一方の母語話者が他方の言語の音声を発話または聴取した時に直面する困難や母語話者との差異を,音声データベースの解析や音声産出・知覚実験などを通して実証的に検討する。計画初年度は主に次の2つの課題に取り組んだ。 (1) 母語話者および非母語話者による英語の強勢対立の産出について検討するための行動実験を行った。まず,英単語の発音や親密度に関する辞書データを利用して派生接辞の付加によって強勢位置が移動する英単語セットを抽出した。その後,英語習熟度が異なる日本語を母語とする英語学習者および英語母語話者を対象に英単語の産出実験を行い,収録音声に対して詳細な音響分析を行った。その結果を国内および海外の学会にて報告した。 (2) 母語話者および非母語話者による日本語の長短対立の知覚に関する行動実験を実施した。まず,母音の長短および子音の長短(促音の有無)の主要な音響的手がかりである持続時間を徐々に変化させた音声の連続体を,3種類の発話速度(遅い・普通・速い)で作成した。これらの音声を刺激とした知覚実験を,若年と高齢の英語母語話者,英語への接触開始年齢が異なる英語・スペイン語のバイリンガル話者,そして日本語母語話者を対象を実施した。その成果を,海外の学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の申請時に掲げた3つの課題のうちの2つ(英語の強勢対立,日本語の長短対立)について,実験準備のための材料選定,刺激作成,そして実験計画の策定を完成させた。さらに,参加者を対象に実験を遂行し,実験データの分析を行い,成果を複数の学会で発表することができた。 申請時に掲げた課題のうちの1つ(英語の音節構造)については積極的に進展させることができなかったが,そのぶん他の2つの課題,とりわけ1つ目の課題である英語の強勢対立については重点的に取り組み,国際会議での成果発表を2回行うことができた。 したがって,全体としては順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
英語の強勢対立に関する課題については,収集した発話データに対してさらに踏み込んだ音響分析および統計解析を進めると同時に,これまで未着手であった強勢の知覚的側面についても実験を行うための先行研究の調査や研究計画の立案を共同研究者と協議しながら前進させる予定である。 また,日本語の長短対立の知覚に関しても,論文執筆や追実験の実施などについて,海外共同研究者と連携して進める予定である。 さらに,本課題の申請時には掲げなかった新たな研究テーマについて海外の別の研究グループと研究計画を構想しているところであり,今後共同研究を開始する可能性がある。具体的には,強勢やピッチといった韻律的特徴の音韻的機能が異なる日本語,韓国語,中国語などの各言語を母語とする話者が,第二言語である英語のピッチやイントネーションなどの韻律的特徴をどのように処理するかを比較検討するための実験を計画している。本申請課題の研究テーマとも十分に合致する内容であり,今後の進展が期待される。
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