Project/Area Number |
23K00513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
杉浦 秀行 同志社大学, 文学部, 准教授 (70619626)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2026: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 認識的権利 / 物語り(Storytelling) / 会話分析 / マルチモーダル分析 / 物語り / 記憶探索 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、会話を通じて表明される話し手の認識的権利の主張について、新たな視点から解明・記述していく。認識的権利の主張とは、「話し手が相手と比べて何をどの程度知っているか」に関わる主張である。先行研究では、専ら発話冒頭の間投詞(例:「あ!」「え?」)、発話末の終助詞などの文末表現(例:「よ」「ね」)について論じられてきたが、本研究では、発話、身体、視線などの様々な要素を射程に入れた「マルチモーダル会話分析」の手法を採用し、とりわけ、会話参加者たちが経験や知識を開示する物語りに焦点を当て、語りの中で話し手と聞き手による認識的権利の主張がどのように公然化されていくかについて解明・記述していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、言語的要素と非言語的要素を射程に入れたマルチモーダル会話分析によって、日本語自然会話において、会話参加者たちによる認識的権利の主張、すなわち、話し手が相手と比べて何をどの程度知っているか」についての主張が、発話プロセスの中で、視線や身体などの複数の非言語的要素によってどのように公然化されていくかについて、解釈・記述することである。本研究では、とりわけ、人々が「物語り(story-telling)」を展開する中で、互いに直接経験や間接経験に基づいて、様々な知識のやり取りがなされる点に着目し、語り手と聞き手の相互の認識的権利の主張が物語りのプロセスの中で、互いに相手の反応に応じて、どのように調整され、公然化されるかを解明・記述することを目的としている。本年度は、研究遂行に当たり、被験者を募り、会話データの収録を行った。また、予備的考察を行い研究成果の一部を発表した。予備的考察では、語り手の内容について聞き手が反応した直後に語り手によって産出される「でしょう」で開始されるターンに着目し、データベースの作成・分析を行った。分析の結果、語り手によって産出される「でしょう」は、問題となっている内容について、聞き手が語り手の見方を追認し、語り手が認識的優位な立場を主張をしていることを例証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度ではあるが、特定の現象について、小規模ながらデータベースを作成し、予備的考察を行い、研究成果の一部を学会にて発表できた点で、今後の研究においても見通しも立ち、順調に進んでいると言える。他方、被験者を対象にしたデータ収録は、予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、まとまった数のデータベースを作成する上でも、2024年度中に当初予定している20組の会話データを収録していく。それと並行して、既存のデータを観察しながら、本研究課題に合致する現象を見出し、データベースの構築及び分析を進めていく。また、研究の進展に合わせて、国内・国外での学会にて研究成果を発表していく。
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