Project/Area Number |
23K00553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
前田 桂子 長崎大学, 教育学部, 教授 (90259630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 走一郎 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00796427)
トート ルディ 長崎大学, 多文化社会学部, 助教 (60824620)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2027: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2026: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 長崎方言 / ドゥーフ・ハルマ / 近世語 / 日蘭辞書 / 翻刻 / 方言の歴史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、高知追手前高校蔵本『ドゥーフ・ハルマ』(1817年成立、以下「初稿」)による近世長崎方言研究を目的とする。本資料は膨大な言語量を持ち、用例の豊富さからは、未確認の方言の語彙や音韻、文法形式が数多く含まれており、これまで分からなかった近世長崎人の会話を浮かび上がらせる可能性がある。 方法は、まず「初稿」のローマ字日本語を解読し、意味を特定する。その後長崎方言的特徴を持つ語彙や文法、音訛を収集し方言を記述する。さらに、前後の時代と比較することで言語変化の過程を探る。 また、2稿の書写本である『ライデン本』や『和蘭字彙』の改変状況と記述を比較することで、長崎人の方言意識を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高知県立追手前高等学校所蔵の『ドゥーフ・ハルマ』自筆本における言語研究である。報告者は、かつて本資料に近世長崎の方言が多く含まれていることを明らかにしたが、所持している画像では判読できない部分があった。そこで令和5年度は本資料を全巻、高画質で撮影をした。また、本資料は自筆のローマ字書きであるため、言語研究のための翻刻と、漢字仮名交じりの表記に改める必要がある。そのためには、自筆本を書き写したシーボルト本、フィッセル本の入手が不可欠となるため、オランダに所蔵されたこれらの本の高画質画像を入手した。以上のように、令和5年度は、資料の入手に注力した。 同時に、初稿の翻刻作業も同時に進めた。フィッセル本、シーボルト本、ブロンホフ本などを手がかりに、翻刻困難な箇所の同定や、『和蘭字彙』の記述と照らし合わせて漢字仮名をあて、E項目とD項目の研究資料を作成しており、次年度に公開できるよう進めている。 翻刻作業には膨大な時間がかかるため、研究期間内に終了することは困難ではあるが、他に類を見ない近世長崎方言の音韻が反映された資料としての価値は高く、今後の言語研究に重要なものとなると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初より、令和5年度は資料の入手と翻刻の進行を計画していたが、資料の中でも最大の目標であった初稿の高画質での撮影資料を入手することができた。また、同時に翻刻作業をする計画であったが、こちらも予定通り進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
翻刻を進め、資料の中の言語状況を明らかにする。特に長崎方言と思われるものや音韻的な特徴を明らかにし、当時の言語事象と対照させて研究を進める。
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