Project/Area Number |
23K00576
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
横越 梓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80508391)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 叙述 / 統語構造 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、小節及び二次叙述にみられるものを中心とした叙述関係一般の特性を通時的・共時的に観察した上で、その統語的・意味的振る舞いを説明するために、主に生成文法におけるラベル理論に基づいた分析を試みる。特に叙述構造の発達と文法化がラベル付けとどのように関わってきたのかを明らかにすることを目的とし、ラベル付けにはどのような方策があり得るのか、どのような要素がラベルを提供し得るのか、という現在議論の中心となっている幾つかの問題において理論的な貢献を果たすことを目指す。そして小節・二次叙述に対する分析を他の叙述構造の分析へ拡張する。
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Outline of Annual Research Achievements |
言語理論で扱うべき経験的基盤として、英語の小節や二次叙述における叙述関係の統語的・意味的振る舞いを観察し、通時的・共時的な経験的データを充実させることをひとつの目的としており、調査を行った。当該年度については特に以下の点を中心に研究を行った。 1.生成文法における理論装置の分析とその妥当性の検証:研究の理論的意義を探求するため、文法モデルに関する最新の論点と新たな提案を把握し、それらが叙述構文の分析にもたらす帰結を詳細に検討した。 2.現代英語のデータの収集・分類・データベース化・検証、先行研究の整理:1)ラベル付けの観点から、小節及び二次叙述の主語の位置を共時的・通言語的に観察し、主要部の「強さ」に関する新たな一般化を導出することを試みた。このため、依拠する枠組みを問わず広汎な文献に当たって従来の観察を整理するとともに、コーパス検索や一般書等からの用例収集によって新規データを採取した。2)1)で得られた結論が両構文以外の叙述構文にも当てはまるか検証し、一般化の精緻化を試みた。 3.先行文献・データの検証:1)前項の結果に基づき、Prを用いた分析の妥当性を改めて検証した。とりわけ、叙述が機能範疇を伴う場合と伴わない場合があるという主張を補強すべく、両者を想定すべき更なる経験的証拠を探求した。2)前項で得られた知見に基づいて、年度の後半では英語母語話者への聞き取りまたはアンケート調査を行い、既存の用例から確認し得ない事実を明らかにすることで観察の更なる精緻化を図った。3)以上で得られた一般化に原理的説明を与える叙述構文の分析を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画全体における当該年度の計画はおおむね予定通りに進み、当初の計画から大きく変更の必要は無く進めることができた。以下のとおり引き続き進めている段階のものもある。 1.生成文法における理論装置の分析とその妥当性の検証:文法モデルに関する最新の理論を追い、論点と新たな提案を把握しながら叙述構文の分析を行った。 2.現代英語のデータの収集・分類・データベース化・検証、先行研究の整理:1)ラベル付けの観点から、小節及び二次叙述の主語の位置を共時的・通言語的に観察しているが、歴史コーパスから得られる事実に限りがあるため、主要部の「強さ」に関する新たな一般化を導出することはまだ検討中である。依拠する枠組みを問わず広汎な文献に当たって従来の観察を整理するとともに、コーパス検索や一般書等からの用例収集によって新規データを採取している。 3.先行文献・データの検証:1)前項の結果に基づき、Prを用いた分析の妥当性を改めて検証を続けている。とりわけ、叙述が機能範疇を伴う場合と伴わない場合があるという主張を補強すべく、両者を想定すべき更なる経験的証拠を探求し現在も調査中である。2)英語母語話者への聞き取りまたはアンケート調査を行い、既存の用例から確認し得ない事実を明らかにすることで観察の更なる精緻化を図っている。信頼できる英語母語話者の協力を得て、自身で作成したデータのアンケート調査も引き続き行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方策として以下を計画している。 1.現代英語における叙述構文の構造についての考察:1)小節・二次叙述を始めとする叙述構文間の詳細な比較を行って共通点と相違点を整理し、その結果との整合性の観点から、前年度に提案した分析の精緻化と修正を行いたいと考えている。2)叙述以外の現象に依拠してなされたラベル付けに関する提案を概観し、上記の分析をラベルの一般理論の中に位置づけることで、その理論的意義を探りたい。3)ラベル付けに関する新たな提案の帰結を広く探求し、叙述以外の現象にも原理的説明が得られることを示して、その妥当性に更なる支持を与えるとともに、以上の成果を取りまとめ、論文または研究発表の形で公表する計画である。 2.叙述関係を導く範疇の歴史的発達:予測として、1)年度の半ば以降では、以上で得られた分析と提案の下で「英語の叙述構造を形成する範疇は、語彙範疇から機能範疇へと歴史的に変化した」という自身の従来の主張を再解釈し、かかる通時的変化に対する新たな統語的分析を提示することで、ラベル付けにおける言語間変異についての検討に着手したいと考えている。 3.歴史的データの検証:1)叙述構文の通時的発達を扱った近年の先行研究のうち、特に理論的説明を試みるものを収集・検討したい。2)ラベル付けとの関わりに着目しながら、複数の史的コーパスを用いて、英語の叙述構文が経た史的変化の全体像を把握し、共時的分析と整合的な仮説の構築と検証を行いたいと考えている。
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