Project/Area Number |
23K00581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
瀧田 健介 同志社大学, 文学部, 教授 (50632387)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 統語論 / ラベル付け / 省略現象 / 線状化 / 生成文法 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「階層構造をもつ統語構造がどのように語順という線的な順序関係に対応づけられるのか」という問いについて「語順はその統語構造が持つラベルの情報に基づいて決まる」という仮説の妥当性を検証することを目的としている。これに際して、スルーシング、動詞句前置、軽動詞構文といった具体的な言語現象について日英語を中心に詳細な比較調査を行うため、言語に対する理論的な理解のみならず経験的な理解に対しても貢献できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、省略現象に課される同一性条件について研究を行った。特に、日本語の節レベルの省略現象であるスルーシングと節を対象にした項省略において、時制・定性・法の不一致が可能であるという新しい観察を行い、それに対する分析を提案した。 分析の内容としては、通常補文標識Cは時制辞句TPをその補部にとるが、省略においてCの補部が発音されなくなる場合にはTPではなくより小さな構成素であるvPを補部にとることができ、それによって上述の不一致が可能になると主張した。このような、省略下においてのみ許される選択関係は、本研究課題の中心的な仮説である「ラベル付けに基づく線状化仮説」のもとでは自然に説明できるため、この仮説の妥当性を示す大きな成果と位置付けることができる。 この成果は、2023年9月に津田塾大学(オンラインも併用)で行われた国際研究会であるCurrent Issues in Comparative Syntax 2: Boundaries of Ellipsis Mismatch、2024年1月に南山大学言語学研究センター(オンラインも併用)で行われた研究会であるComparative Syntax, Semantics and Language Acquisition #2において招待発表として、また2024年3月に香港中文大学で行われた国際学会であるGLOW in Asia XIVにおいて口頭発表として公表し、その学会論文集および国際専門誌への投稿論文を準備中である。 また、九州大学の前田雅子氏、東北大学の中村太一氏と共同で、日本語スルーシングにおける残余句の文法格に関する不一致に関する研究、および並行して「ものか」を伴う修辞疑問文の統語的特徴に関する研究を行った。これらの研究成果については、その成果を国際学会の発表に応募中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は2件の研究会での招待発表(うち1件は国際研究会)および1件の国際学会での口頭発表を行い、それらの成果を論文としてまとめる準備をすすめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき国内外の研究会・学会における発表を行い、参加者からのコメントとフィードバックをもらうことで研究をさらに発展させることを目指す。またその成果を論文として出版する準備を進める。
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