「転移可能な態度」の本質探求とその涵養についての基礎的研究
Project/Area Number |
23K00626
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇佐美 洋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40293245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
トンプソン 美恵子 (平野美恵子) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20401606)
森本 郁代 関西学院大学, 法学部, 教授 (40434881)
金田 智子 学習院大学, 文学部, 教授 (50304457)
根本 愛子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80746701)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 態度育成 / 態度変容 / 転移 / 資質・能力 / 質的研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,以下の問いに答えていくことを目的とする: 1. 学習および学習支援をよりよく進めていくという目的のため,「態度」への働きかけとして具体的にどのようなものがあり得るか。 2. 「態度」への働きかけを内容として含む教育実践を行ったとき,受講者の態度は,どのようなきっかけにより,どのようなプロセスを経て変容していくのか。そうした態度の変容は,知識やスキルなど資質・能力の他の側面に対しどのような形での影響を及ぼしうるか。 3. ある場面で獲得した態度を他の場面に転移させて使用することは可能なのか,またそうした転移は何をなかだちとして可能となり,また転移を促すにはどのような働きかけが有効なのか。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は以下のことを行った: 1) 教育活動における受講者の「気づき」の分類 日本語教員養成課程の受講者が執筆したレポートに対してコーディングを行い、レポート内で「気づき」として言及されているものを、「内への掘り下げ」「外への拡張」という観点を援用して分類を行い、「A. 実践内の事象報告」「B. 未来への言及」「C. 昇華・発展」という3類型を得るとともに、それぞれの概念の定義を行った。これにより、一口に「気づき」として言及される認知行為は極めて大きな幅を持っており、教育実施者として受講者に、単に「気づき」の記述を促すだけでは、【新認識】【反省】【驚き・当惑】など、必ずしも深い内省を伴わない記述のみに終始してしまう可能性が高いことがうかがわれた。一方で、「C. 昇華・発展」として分類された気づきの中には、「学びの転移」にもつながりうる、発展性を備えた記述も見受けられた。こうした分類は、教育実施者が受講者の「気づき」を評価するためのツールとしてでなく、受講者自らが自らの振り返りをメタ的に再考するためのツールとして使用していくことを提言した。 2)協働作業の振り返りインタビューに見られる「学びの転移」の実例記述と分析 協働作業を中心とする授業への参加者3名に対し、学期終了後にインタビューを行い、活動における「学びの転移」が実際にどのように行われているか、という観点での分析を行った。その結果、多様な転移を実現させている参加者は、話し合い活動で他者をうまく巻き込むことに長けており、話し合い活動にストレスを感じることが少ないということが観察された。ここから教育運営者としては、参加者自身が活動の中でよりよい協働環境を作り出していくことを促すこと、また自分のストレスををネガティブに捉えず,将来の学びへとつなげていけるような励ましを行っていくことが重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者自身の研究活動は一定程度進捗し、研究協力者との論文執筆も行ったが、その他の分担者との協働については十分進んだとは言えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も予定通り、教育活動における学び・価値観変容の在り方と、学びの他の場面への転移がどのように起こり得るかの実例を、受講者に対するインタビューから収集し、ストックする。さらにそうした知見に対する横断的な検討を行うことにより、「学びの転移」のプロセスとその意義についての理論的考察にも着手する。その際分担者との積極的な意見交換を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)