Project/Area Number |
23K00696
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
瀧沢 広人 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (30824940)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 音韻認識能力 / 小学校英語 / 読み書き能力 / 指導プログラム / 文字指導 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、音韻認識指導をしたグループと、しなかったグループで、音韻認識能力に違いが出るのかどうかを量的に調査し、その「指導効果」を確認する。そのため、複数の研究協力校を指定し、小学校5・6年生を対象に、通常の教科書を用いた指導の他に、授業内の3~5分を音韻認識指導に充てる学校と、行わない学校を設け、事前テスト(4月)・事後テスト(小6:12月・小5:2月)により、「音節」「オンセットライム」「音素」の音韻について指導効果の検証を行う。また、中間評価を行いながら、音韻認識の発達の傾向を調査する。 そして、最終的に、音韻認識の指導プログラムを確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「小学校外国語科おける音韻認識指導プログラムの確立」を目指して行うものである。海外の研究において、就学時の音韻認識がその後の読みの能力を予測することもわかっている。そこで、日本の小学校において、明示的な音韻認識指導を行えば、児童の音韻認識は高まるかどうかを検証し、音韻認識プログラムの確立を目指す。 4月は、音韻認識指導を行う実験群と通常の英語の教科書を用いるだけの統制群の2群を設定し、研究協力校へ依頼した。また、実験群及び統制群に事前テストを行い、児童の音韻認識の現状を把握した。 5月から2月にかけては、実験群で用いる「音韻認識指導教材」を作成し、それを基に授業実践を行ってもらった。1学期は、「ライム」「はじめの音」「終わりの音」「まん中の音」を、それぞれ4回ずつ指導する。1学期末には、実験群において、7月に中間評価を行い、「はじめの音」に課題が見られることがわかった。そこで、2学期は、「はじめの音」を中心に指導プログラムを設定し、指導の重点とした。12月に、6年生を対象に、実験群及び統制群で事後テストを実施し、データ分析を行った。1月は、2学期の学習内容が終わっていなかったため、引き続き「はじめの音」を中心に、「音を聞いて文字を選ぶ」学習を行った。2月下旬~3月上旬に、5年生を対象に、実験群及び統制群で事後テストを実施し、データ分析を行った。 結果、5年生においては、「はじめの音」及び「終わりの音」において、実験群と統制群の間に有意な差が確認され、音韻認識指導の効果が検証された。6年生においては、「終わりの音」では有意差が確認されたが、「はじめの音」では、平均点において、事前テストでは実験群が低かったものの、事後テストで高い結果が得られた。しかし、統計的には有意な差とはならなかった。2年目は、実践校を増やし、1年目の指導内容を改善して行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「音韻認識指導プログラムの確立」に対して、次のことが実践できた。1年・2年目は、実践校に指導を実施してもらい、より適切な指導内容を決めていく計画である。1年目の今年は、下記のことが実践でき、研究は順調に進んでいると考える。 (1)指導教材の作成した。「ライム」「はじめの音」「終わりの音」「まん中の音」の4つの教材(パワポ)を作成し、指導略案、児童用ワークシートを作成(1学期)。「はじめの音」の教材を作成(2学期)。「まん中の音」の教材を作成(3学期)した。 (2)実験群における授業実践の推進を図った。実験群の教員と実践状況の確認行いながら、児童の現状を把握、課題解決に向けて行えた。 (3)効果の検証として、事前テスト及び事後テストの結果から、5年生については、効果の検証が図れた。また、6年生については、「終わりの音」では効果が確認されたが、「はじめの音」では、確認できなかった。 以上のことから、1年目の研究は、概ね順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目は、主に下記4点を行う。 ①1年目に協力いただいた実験校A校では、新5年生に対し、1年目で成果が見られた指導プログラムを追試し、成果を確認する。そのため、昨年とほぼ同様の指導をしつつ、統制校A校との有意差を確認する。 ②昨年度の実験校A校の新6年生に対しては、昨年1年間音韻認識指導を行っているので、2年目の指導にはいる。そこで2年目は、単語を読んだり、文字を聞いて書いたりする、読み書きをプログラムに入れ、最終的には、そのことが児童の音韻認識が向上するのかどうか検証していく。そのため、指導プログラムの構築が大きな研究となる。 ③また、研究実践校を他府県に設定し、実験校B校では、昨年の実験校A校の指導を追試する形で、1年目の検証がより一般化できるかどうか、実施校を増やして行う。同時に、統制校B校を設定し、指導効果の有無を確認していく。 ④さらに、短時間で行える児童の音韻認識能力を調査する問題を開発を試みる。1年目に行った調査では、全体の信頼度は、.70を超えたが、個々の音韻認識では、.50~.60程度であったため、短時間で行え、かつ、信頼性が担保される調査問題の作成も研究していく。そのための協力校は、実施校とは別に設定する。 以上の4点を研究の方針として、今年度の研究を推進する。また、学会等で研究発表を行い、よりよい研究推進に努める。
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