Project/Area Number |
23K00723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
片岡 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (50315909)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ナラティブ・メディスン / 英米文学作品 / 精読 / 医療系学部 |
Outline of Research at the Start |
ナラティブ・メディスンは米国発祥の科学的根拠に基盤を置く従来の医学を補完する教育アプローチであるが、そのための教授法の中心は文学作品を中心とした文献の精読トレーニングである。 本研究では日本の医療系学部において現行の教養英語教育の枠内でリーディング教材としてナラティブ・メディスンを念頭にした精読の授業展開を試みる。そのためにナラティブ・メディスンが重視する精読に関し、その理念やコンセプト、さらには具体的な指導方法、現行の教材について調査を行い、日本の医療系学部の学生を想定したナラティブ・メディスンのための第二言語教育における英語リーディング指導のスキームデザインの開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
Evidence based medicine (科学的根拠による医療)は統計や量的研究に代表される科学的データに基づく医療系研究の根幹を成してきたが、「人」や「こころ」を対象とする治療あるいは健康科学の実践において、データや数字上では捉えきれない事象に対応する術についての検討も必要とされてきた。そのような医療者教育にかかわる人文系研究者の一員としてHunter (1991)は「医学は科学ではなく、解釈的アプローチである」と述べた上で「医学は基本的にナラティヴの形を取る」と定義づけた。この言説はその後のナラティブ・メディスンの誕生へと結びついている。 本研究に関し、すでにナラティブ・メディスンのための英語文献精読活動のスキーム開発のために、医療系分野の教育に文学が導入された目的に焦点を当て拙論、「ナラティヴを介した文学と医学の共鳴と協働 ― ナラティヴ・ターンを軸にした解釈による ―」.『愛知県立大学看護学部紀要 28』において発表していたが、今年度の実績としてはそれを受けて、2023年度の計画であったそもそも「ナラティブ・メディスンのテクストは何を対象としているのか」という問いを掲げ、他分野のナラティヴと医療系のそれとの違いを明らかにするため、関連文献を分析し、その成果を「ナラティブ・メディスンのテクストとは何か―医療領域における『物語』の特徴―」, 『愛知県立大学看護学部紀要 29』, 1-9, 2023. において明らかにした。 加えて、医療系分野でどのような文学作品が扱われる傾向にあるかについて関連文献を精査し、且つ、医療系研究者の文学作品を基にした研究について分析し、拙論、「医療系分野で文学作品を扱う二つのアプローチについて―ナラティブ・メディスンとの関係性を念頭に―, 片平59号」, 51-65,2024.において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本の医療系学生にナラティブ・メディスンの精読活動を提供するためのスキーム開発のため、まず、ナラティブ・メディスンに関わる歴史的背景を提示した。先行研究を基軸とした文献検討を行い、歴史的背景について明らかにし、成果発表を行う事ができた。 次に、医療系分野におけるナラティヴにかかわるテクストそのものに関し、他分野との違いに注目し、特徴をとらえ、この問題についても成果発表を行う事ができた。 加えて、医療系分野における文学作品の取り扱いに関して、その扱い方にどのような傾向と特徴がみられるかについての研究をまとめ、こちらも成果発表を行う事ができた。 よって、初年度に予定した研究計画に関して、いずれの課題についてもほぼ予定通り、研究の過程を経る事ができたとの判断が可能であり、当該研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度において、ナラティブ・メディスンの文学作品を取り入れてきた学術的背景と、医療分野に関わるナラティヴのテクストの特徴について明らかにし、医療系分野の教育において文学作品を扱う傾向とその特徴を指摘することができた。これを受け、2024年度は、これらナラティブ・メディスンにかかわる文学作品導入における精読スキームを提示する。そのスキームの対象とするのは日本の高等教育(大学のみならず、医療系専門学校レベルを含む)の第二言語教育、中でも教養教育の範疇において教授可能な精読スキームを想定している。 そのために、具体的な文学作品をいくつか精読の対象とし(最終的に5点ほどに絞る)、それぞれの作品に関する精読の教案を策定する。作品選定の基準、方法については、今年度に研究を行い成果発表をした拙論、「医療系分野で文学作品を扱う二つのアプローチについて―ナラティブ・メディスンとの関係性を念頭に―」を基盤に、作品のテーマや成立時代、作者の属性などについて検討を行い、ジュネットの物語論を中心に、ブースの論じた物語論を加味し、理論に基づく視点を解釈を基本としつつ、ナラティブ・メディスンが主軸とする時間や倫理を分析できるような教案を目指す。物語が内包する形而上学的特徴、さらには文化のコードを含む文学的要素を取り上げ、この研究テーマを教養教育の範疇で扱う意義を明確にする。
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