Project/Area Number |
23K00783
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
南津 佳広 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 准教授 (70616292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春木 茂宏 近畿大学, 国際学部, 准教授 (00340761)
金井 啓子 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (00510158)
吉田 国子 成城大学, 社会イノベーション学部, 非常勤講師 (40298021)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | パラフレーズ / メタ言語能力 / 字幕翻訳 / 逐次通訳 / TILT / 通訳 |
Outline of Research at the Start |
英語運用力の低下が問題視されている。学習者が英語で発信したものを精査すると、語彙的な問題のほかに文構造の問題や論理的な問題が多く含まれている。この問題を克服し、英語運用能力を伸ばすにはどのようなアプローチができるのか。本研究課題ではTILTを導入し、学習者に言語固有な視点の移動を反映させた「文単位のパラフレーズ」を行わせ、発話(=訳出)を生成するプロセスを省察させることが「メタ言語能力」の伸長に貢献している仮説を検証する。その結果を踏まえて、「文単位のパラフレーズ」を伴うTILT の教授法を整備・開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、「メタ言語能力」の伸長に焦点をあて、パラフレーズを促すために言語教育における通訳翻訳(Translation and Interpreting in Language Teaching:TILT)を活用する教授法の整備・開発をするためのパイロット研究を行った。メタ言語能力が言語使用に与える影響を明らかにする。特に、メタ言語使用への指導(意識づけ)が訳出に与える影響を量的に分析する。TILTに活用できるメタ言語的操作(訳出方略)を質的に観察・分析を行った。 そこで、所属先の倫理規定に則り、関西圏の私立大学の学部生2年生と3年生を対象とした教養英語科目で実施した英日翻訳授業2クラスの受講生(TOEICでおよそ500点前後)を対象にした。2クラスは以下の2群に分けた:①文法的正確さを重視して字幕編集を行う文法群と②語用論的情報を重視して字幕編集を行う語用論群である。分析方法では2種類採用した。まず、受講生が選択した訳出方略(直訳・削除・補足・言い換え)を基に量的分析を行い、次に、原発言から字幕翻訳がどのように生成されたかを語用論的、ディスコース分析的、社会言語学的手法で質的分析を行った。翻訳授業では、メタ言語能力が翻訳技能に影響を与えることが観察された。 一方、関西圏の私立大学の学部生3年生と4年生を対象とした専門科目として開講されている通訳の授業で英日逐次通訳の授業2クラスの受講生(TOEICでおよそ700点前後)を対象にした。こちらも所属先の倫理規定に則り観察・分析を行った。2クラスは以下の2群に分けた:①文法的正確さを重視して通訳を行う文法群と②語用論的情報を重視して通訳を行う語用論群である。逐次通訳において、視点の変更が記憶の負荷に影響を与えることが明らかになった。語用論群は場内在的視点を採用することで、安定した訳出が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は論文1本、研究発表3本行った。分析対象は、関西圏の私立大学に在籍する学部生であった。英日翻訳授業の対象は2年生と3年生(TOEIC約500点)であり、これらの学生を文法群(文法的正確さを重視)と語用論群(語用論的情報を重視)の2つのグループに分けた。分析方法としては、まず訳出方略(直訳、削除、補足、言い換え)を基にした量的分析を行い、次に原発言から字幕翻訳がどのように生成されたかを語用論的、ディスコース分析的、社会言語学的手法で質的に分析した。 逐次通訳授業の対象は3年生と4年生(TOEIC約700点)であり、こちらも文法群と語用論群の2つのグループに分けた。逐次通訳においては、視点の変更が記憶の負荷に与える影響を分析した。 結果として、翻訳授業ではメタ言語能力が翻訳技能に影響を与えることが確認された。文法群の学生は記憶の負荷が高まりやすい一方、語用論群の学生は記憶の負荷を軽減できた。また、逐次通訳授業では視点の変更が記憶の負荷に影響を与えることが明らかになり、語用論群の学生は場内在的視点を採用することで安定した訳出が可能となった。 以上のことから、メタ言語能力の導入が翻訳および通訳技能に与える影響が確認され、TILTの効果的な教授法の開発に向けてさらなる研究が必要であることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も同様にデータを収集し、言い換えに焦点を当てた調査を行う予定である。その上で、言い換えの類型化に取り掛かる。この調査により、メタ言語能力がさらに深く言語使用に与える影響を明らかにし、TILTの教授法をさらに発展させることを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)