Project/Area Number |
23K00789
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三田 辰彦 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (00645814)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 上寿 / 礼制 / 漢-唐 / 東アジア / 比較史 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、中国古代の諸儀礼における上寿礼が、いかにして一つの型を形成し、当時の人々の心性といかなる関連性をもつのかを解明し、東アジア礼制比較史研究の総合化を促進する。すなわち、(1)諸儀礼にみえる上寿礼の位置づけを通時代的に分析し、儀礼で果たす役割を解明する。(2)儀礼以外の場における上寿の具体的位相と比較し、儀礼での特徴を解明する。 (3)如上の研究成果を東アジア史研究者や海外の中国史研究者に向けて発信し、比較史の総合化に向けて問題意識を共有する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、中国古代の諸儀礼における上寿礼が、いかにして一つの型を形成し、当時の人々の心性といかなる関連性をもつのかを解明することである。この課題遂行を通して、東アジア礼制比較史研究の総合化の促進を試みる。 初年度に当たる2023年度は、前半期に研究発表(招待有り)の機会があったものの、座談会やコメントという性質上、直接的な成果報告ではなく今後の研究交流の基礎を固めるものとして発表の場を活用した。とりわけ、4年ぶりに全面的な対面式で開催された第14回中国中古史青年学者聯誼会(上海・復旦大学)においては、座談会の報告者の一人として登壇し、COVID-19流行下の2020年~2022年の3年を日本の歴史研究者がどう回顧したかについて中国・台湾の研究者に提示した。あわせて、当該期における報告者の研究(前科研20K13156)を紹介し、本研究課題のねらいでもある学際的国際的研究を進めるヒントとして例示した。この報告を通して、研究遂行におけるオンライン・非オンラインそれぞれの有効性について相互理解を深めた。また、彼我の歴史研究が抱える「専門化」と「総合化」の調和をテーマとした総合討論への参加を通して、異なる学術的文脈からなされる研究の相互理解を促すための視座を獲得した。 一方、本研究課題の柱となる、上寿および上寿礼に関する史料の収集は、正史(『史記』~『新五代史』)、唐代の制度史料(『通典』)、唐宋の類書(『藝文類聚』『太平御覧』)など史料群の一部にとどまった。分析についても部分的であり、上寿礼の音楽に付随する歌の有無に関する議論(『通典』所収)、上寿の起源に関する議論(北宋の類書『事物紀原』所収)の考察のほか、収集史料に対する初歩的な分析に着手するのみであった。この点は次年度に巻き返しを図りたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の時点で、海外の国際研究集会での交流を通して国際的学際的研究を推進する視座を得たことは一定の収穫があったと言える。また、本研究課題と関連するプロジェクト(22H00686)でも研究分担者として参加し、東アジア各地域史研究者との交流を継続できた。とりわけ、2023年7月に担当した金の儀礼書『大金集礼』の訳注、2024年3月に参加した那覇巡検での琉球王国史料の閲覧を通して、本研究課題で主に扱う時代の礼制史料がいかなる形で異文化の王権に利用されたか、その具体的様相を知ることができたことも、今後の研究遂行にとって一定の収穫となった。 とはいえ、本研究課題の柱となる史料の網羅的収集・整理・分析が遅れている点を勘案し、最終的に「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは遅れている史料の網羅的収集・整理・分析を進めたい。その際、北宋の類書『太平御覧』の「上寿」という項目にまとめられた史料をヒントに、上寿に関連するキーワードを類型化し、収集の幅を広げていきたい。また、初年度の初歩的な分析を通して、研究計画時には気づかなかった論点(上寿礼と音楽との関連についてなど)も見つかった。この点も新たに掘り下げて分析を進めつつ、第2年度の後半期には研究成果の公表を実現させたい。
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