Project/Area Number |
23K00790
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木下 知威 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 研究員 (80962290)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2027: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 近代 / 京都 / 盲唖学校 / 盲人 / ろう者 / 概念化 |
Outline of Research at the Start |
1878(明治11)年、京都盲唖院(きょうともうあいん 以下、盲唖院)が京都の中心地で開校した。盲人(視覚障害者)、ろう者(聴覚障害者)の教育を通じて生計を営めるように支援していた、盲唖院の開校は日本の障害児教育において重要な契機である。 本研究では2つの研究項目を立てる。まず、盲唖院の教育・社会活動を通じて、近代における身体障害の概念のプロセスを明らかにする。次に、盲唖院の運営と支援に着目し、盲唖院が近代にわたって維持したメカニズムを検証する。また、盲唖院は西日本からの入学が確認でき、教員・関係者が各地で教育・社会活動を行っている。こうした盲唖院と他地域の連動性にも着目しながら調査を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
対象年度である令和5年中よりCOVID-19が5類感染症に移行したこともあり、感染対策に留意しつつ、関係機関とも相談のうえで現地調査を進める計画を立てた。 本研究の主な目的として、京都盲唖院(以下、盲唖院)を通じて近代における身体障害の概念化のプロセスを明らかにする点が挙げられる。そのために必要なのは盲唖院入学生の傾向についての分析である。 そこで、盲唖院の文書である「京都盲唖院関係資料」を対象に調査を行い、必要に応じて読解を進めた。ここで得られた内容について明治10年代を対象に検討を行った結果、京都府舞鶴市から盲唖院に入学した生徒の存在を確認することができた。この情報をもとに舞鶴市で現地調査を行い、生徒が盲唖院を離れたあとに現地で経済・社会活動をしていたことが明らかになった。近代の障害者に関する研究調査では、盲唖院や各地の盲唖学校で教鞭をとった卒業生など比較的社会的地位・知名度を有する視覚・聴覚障害のある当事者の動向が注目されてきた面があるが、今回の成果はミクロかつ一般的な視点で盲唖院の構成員が経済・社会活動を行ったことが判明したといえる。 次に盲唖院は京都のみならず、西日本を中心に各地との関係を有していたことが既往研究で明らかになっている。対象年度では鹿児島県鹿児島市に注目した。鹿児島では明治期に盲唖院の卒業生が教員として現地の盲唖学校で教育を携わっていたことが既往研究より知られているが、その活動実態が不明であったことによる。そこで現地調査を行い、鹿児島市内に存在した盲唖学校の位置を推定することができた。 ほか、盲唖院と関連の深い京都府庁の公文書である府庁文書についても確認を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、京都盲唖院が影響を及ぼした地域とその内容を検討する必要から、「京都盲唖院関係資料」の調査・分析のみならず関係する地域での現地調査も重要である。そこで、対象年度は本研究における円滑な調査方法を検討する必要があった。そのモデルケースとして京都府京都市と京都府舞鶴市・鹿児島県鹿児島市を対象に調査・分析を行った結果、成果を得ることができた。こうした方法論の確立により、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
対象年度に引き続き、京都盲唖院関係資料の調査・分析を基幹に研究を進めていく。同時に、盲唖院と関連性の深かった、京都府の公文書である府庁文書の調査にも着手する。次に、盲唖院と他地域の連動性にも着目するために、関連する地域や比較対象となる地域として主に以下の2点に留意しながら現地調査先の候補として検討する。このうち、2については文書調査の進捗状況と現地の盲学校・ろう学校、特別支援学校、文書館・図書館など関係機関とも連携しながら進めていく。
1.盲唖院の関係者が盲唖教育に着手した地域(島根県松江市、長崎県長崎市、鹿児島県鹿児島市など)また、明治期において盲・聾唖教育が着手された地域(東京都、新潟県上越市、青森県八戸市など) 2.盲唖院の入学生・卒業生とその家族など関係者の生活拠点が確認できる地域。
また、京都盲唖院の学校史など文献には京都盲唖院関係資料からの引用が多数みられるため、文書調査と整合しながら精読していく。これらの成果をまとめ、論文・学会発表での公表を目標としたい。
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