Project/Area Number |
23K00795
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
左近 幸村 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (30609011)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 日露関係史 / 冷戦 / グローバルヒストリー / 地域史 / 日露交流史 / 国際関係史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1955年から1961年まで新潟県知事を務めた北村一男(1897-1965年)の国際的な活動に焦点を当てることで、地方から見た日ソ関係史や、20世紀の東北アジア史を描くことを目的とする。北村は戦前、日魯漁業の社員としてソ連と深くかかわり、戦後は参議院議員や新潟県知事として活躍した。特に知事としては、訪米訪ソを果たし、北朝鮮にも訪問して帰国事業を推進するなど、外交にも積極的だった。加えて、新潟の米軍基地拡張反対運動にも深くかかわることになった。北村は新潟という地域と世界をつなぐ接点となった人物であり、彼を通じて、地域史から見た世界史叙述を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
6月24日から27日にかけて韓国、大邱市の慶北大学校で開かれたAssociation for Asian Studiesの大会において、名古屋大学のイゴリ・サヴェリエフ氏が組織したパネル "Making Space for Identity Under Settler Colonialism in Northeast Asia"に参加し、"Russian Peasant Settlers and Asian Laborers in the Russian Far East Prior to the October Revolution"と題する報告を行った。パネル全体では19世紀後半から20世紀前半にかけてのロシアと東アジアの関係について、フロアも踏まえて活発な意見交換を行うことができた。加えて、他の複数のパネルにも出席し、ジェンダー、ボーダー、植民地主義を議論するアジア研究の最新状況について知見を深めた。 9月13日から14日にかけては、東北大学の経済史研究者と九州大学の経済史研究者によって東北大学で開かれた合同ワークショップにおいて、シベリア鉄道に関する研究報告を行い、経済史の観点からアドバイスを得ることができた。 それ以外に、7月1日に東京大学駒場キャンパスで開かれた東アジア近代史学会のシンポジウム「東アジア近代史における『ロシア』という存在」に討論者として出席し、5人の報告に対しコメントした。シンポを通して、ロシアと東アジアの関係史について、多くの知見を得ることができた。 3月13日から15日にかけては、新潟県議会図書室と新潟県立図書館で資料調査を行い、本研究の主たる対象である北村一男新潟県知事の議会での答弁記録や、周囲の人物の回想をコピーすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際学会での報告をコロナ禍以降初めて行うことができ、新潟市での現地調査も行うことができるなどの成果があった。しかし学会報告は、以前の研究課題との橋渡し的性格が強く、東アジア近代史学会でのコメントを除くと活字化できているものがないこともあり、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
東京外国語大学の巽由樹子氏を中心に定期的に開催している日露関係史の研究会「昭和のロシア」で本研究の構想を報告することを検討している。そこに海外在住の研究者を呼び、意見交換をすることも視野に入れている。最終的に研究会のメンバーで論文集を作り、本研究のエッセンスを盛り込むことを計画している。 資料収集は、新潟での調査に加え、北海道大学の図書館でも行う予定である。
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