Project/Area Number |
23K00796
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮里 厚子 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (70325827)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 琉球王国 / フランス人宣教師 / フォルカード神父 / 琉球漆器 / フランス国立図書館データベース / 琉仏交流史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、文献のみならず美術工芸品等も含め、これまでにフランスで発掘された琉球・沖縄関連史料について、その所在・内容等の情報を統合してデータ化し公開を目指すものである。それと同時に、フランス国立図書館データベースGallicaにおける新史料収集とその分析を行う。またフランス現地では既知の史料の確認と新史料の発掘も試み、それらの情報を随時データベースに追加する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はフランスで保管されている琉球・沖縄関連の史料について、その存在が既知のものについて一元化・データ化を図る作業を進めるとともに、一方でフランス国立図書館データベースGallica上のデータを中心に新史料の発掘とその分析を、他方でフランス現地において琉球の手工芸品を含む諸史料の確認・発掘を試みるものである。 2023年度においては、Gallicaで検索可能な文献のうち、特に琉球に滞在したフランス人宣教師が書いた滞在記が教会関連の雑誌だけでなく地方新聞等にも掲載されていたことが確認でき、また19世紀末から20世紀初頭には文学雑誌等において琉球に言及された文書が見られるようになったことが分かった。文学雑誌等の記述においては、宣教師の記録の影響を受けていると考えられ、当時のフランスにおける「琉球」のイメージが醸成される過程を推測できる結果となった。 またフランスにおいて既知の史料の確認および新史料の発掘も試みた結果、1944~46年に琉球王国に滞在したフォルカード神父が「日本から送った」とされる「布」をリヨンで確認することができた。博物館の出版物に掲載されていたものを今回実際に目視し、写真に収めることができた。今後、これが琉球から送った品なのかどうかなど、より詳細な情報収集を行う準備ができた。さらに、これまでにヨーロッパで行われた琉球関連史料の先行調査では未確認であったパリの博物館において、琉球漆器とみられる箱が保管されていることも確認できた。博物館関係者は琉球由来のものと断定しかねていたが、帰国後に得た情報で琉球漆器の可能性が高いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フランス国立図書館データベースGallicaにおいて、これまで収集してきた宣教会やフランス海軍関連以外の出版物において琉球関連史料の収集・分析を進めたが、学術雑誌への論文投稿には間に合わなかった。また、フランスでの調査に関しても、調査後に史料に関する情報の精査等に時間がかかったため報告書の公刊は次年度へ持ち越しとなった。 以上、すでに手元にある情報の一元化等の作業を進めることはできたが、論文・報告書の公刊が年度中に実現できなかったため進捗がやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の本研究の進め方としては、2023年度において持ち越しとなった報告書等の公刊を行う。また、当初の計画通りGallica等における新たな文献の発掘と分析を続ける一方、フランスにおける現地調査では、琉球から持ち帰られた、または送られた工芸品等で、すでに所在の分かっているものに関して詳しい目録が作成されていないため、写真に収めるなど新たな目録の作成を試みる。
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