| Project/Area Number |
23K00800
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
|
| Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高綱 博文 日本大学, 通信教育部, 研究員 (90154799)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 智英 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (30771836)
山口 早苗 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 講師 (30913066)
南 祐三 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (50633450)
門間 卓也 愛知学院大学, 文学部, 准教授 (90868291)
|
| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
| Keywords | 対日協力者 / 対独協力者 / 責任追及 / 亡命活動 / 記憶政治 / 国際比較 / 歴史修正主義 / 歴史認識 / 国際比較研究 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、戦後各地で実施された「協力者」に対する諸裁判、その後の彼らの亡命活動を巡る地域社会からの応答を起点に大戦時の「加害/犠牲」を巡る記憶に社会的意味付けが施されたと捉えて、そのアジアおよびヨーロッパの事例を比較検討しながら論じるものである。 本研究目的は、戦後の諸裁判ならびに彼らの亡命活動が及ぼした政治的かつ社会的影響を精査することで、現在の国際社会における歴史認識問題を産んだ記憶政治の分析に新たな貢献を果たすことにある。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究「対日・対独協力者の責任追及とその亡命活動を通じた記憶政治の国際比較研究」は、戦後各地で実施された「協力者」に対する諸裁判、その後の彼らの亡命活動を巡る地域社会からの応答を起点に大戦時の「加害/犠牲」を巡る記憶に社会的意味付けが施されたと捉えて、そのアジアおよびヨーロッパの事例 を比較検討しながら論じるものである。 本研究は戦後の地域社会でどのように「協力者」の責任が追及され、いかなる歴史認識が編まれたかグローバルな規模で探究するものである。 2024年度はオンラインにより本研究課題に関する国際比較の先行的研究として林志弦著、澤田克己訳『犠牲者意識ナショナリズム:国境を超える「記憶」の戦争』(東洋経済新報社、2022年)、橋本信也編『紛争化させられる過去』(岩波書店、2018年)の検討会を行い、現在の記憶政治の分析に対して私たちの実証的歴史学から何が貢献できるかを議論した。また個別研究の進捗状況を対面及びオンラインで報告する研究会を開催した。具体的な分析対象として、市民間で戦争経験/記憶が惹起される契機となった「対日・対独協力者」を巡る諸裁判、彼らのトランスナショナルな亡命活動、更に戦争協力者の歴史記憶のあり方などを取り上げた。 本年度は欧州や中国等において現地史料調査、韓国・台湾・インドネシアで開催された国際学会で研究報告を行うことができた。また、昨年度から一般社団法人中日文化研究所においてに戦争協力等に関係する未公開史料を大量に発見し、その整理・調査を実施している。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は人々の多様な戦争経験と記憶政治の連関を探究する上で、「対日・対独協力者」を巡る政治実践や、それを通じた社会的作用に注目するものである。 その焦点は、中国史・西洋史分野の研究対象地域毎に ①戦後の諸裁判の実態と影響 ②亡命活動と国際政治 の二点に分節され、各課題に中国史(担当:髙綱、 関、山口)と西洋史(担当:南、門間)の研究者が取り組み、その進捗状況を比較する会合を定期的に設けることで共同研究を実施している。 なお、研究代表者の髙綱は「対日協力者」の史料調査の過程で中日文化研究所に日本の敗戦から1950年代における日中知識人の交流関係を中心とした膨大な未公開史料があることを発見し、その史料に拠り「敗戦直後における中日文化交流運動について」学会報告し、更に日本人戦争協力者の日中友好運動への係りを検討している。分担者の関智英氏は「日偽山西省政府警務庁資料」を使用して「人民共和国における中国人対日協力者」について学会報告した。山口早苗氏は日本占領下の汪精衛政権に協力し、対日協力を行った文学者である路易士の戦後に台湾へ渡った直後の文学活動について研究している。門間卓也氏は社会主義ユーゴスラヴィアにおいてカトリック聖職者を対象に実施された人民裁判、およびその社会的影響の分析に取り組んだ。更に共産党政権下では対独協力を疑われた聖職者の多くが弾圧に晒されたが、それに対して冷戦初期のアメリカでは共産主義に対する警戒心を背景に、カトリック教会を中心とする抗議運動が巻き起こったことを検証している。南祐三氏は「ヴィシー擁護論の形成」という報告を行い、ヴィシー派だけでなく、レジスタンスにかかわった人たちからペダン擁護論や「赦し」「忘却」との発想が出ていることを明らかにした。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本研究は戦時・戦後期における人々の多様な戦争経験と記憶政治の連関を探究する上で、「対日協力者」と「対独協力者」を巡る政治実践や、それを通じた社会的作用に注目するものである。なお、研究代表者の髙綱は中日文化研究所において日本の敗戦後から1950年代における戦後日中関係史に関する多数の未公開史料を発見したが、同史料により戦後「対日協力者」問題は日本人の戦争協力者や戦争責任の問題と関係させて歴史的に考察することが必要となり、本研究の一環として学会報告を予定している。関智英氏は戦時中日本に協力した中国人の戦後の状況を解明するべく、引き続き山西省太原市公安局作成の資料の分析を進める。昨年度おこなった山西省警務庁の資料分析に続き、本年度は太原市公安局『日特新民会中央調査部太原支部資料』及び太原市公安局『日偽新民会太原市総会資料』の分析を行い論文として発表する。山口早苗氏は戦時中に対日協力を行った文学者のうち、戦後台湾に渡った詩人路易士に関して、彼の戦後の足跡や台湾文学界での活動とその影響力について研究を進めて論文を執筆する予定である。南祐三氏は第二次世界大戦期における対独協力の行為により裁かれた者に対する司法的アムネスティ(大赦)に関する文書館史料の読解および本格的にこれに取り組み、アムネスティの実態解明に向けた分析を進める予定である。門間卓也氏は、社会主義ユーゴスラヴィアにおいてカトリック聖職者を対象に実施された人民裁判、およびその社会的影響の分析に取り組んできたが、今後そのトランスナショナルな記憶政治の展開を辿ることで、教会組織を核とするクロアチアのナショナリズムが冷戦期にいかなる国際的共鳴を基に構築されたか考察を進める予定である 本年度は共同研究のまとめに向けて国内でワークショップを開催し、国際学会等で研究成果を報告し、論集刊行を準備する計画である。
|