Project/Area Number |
23K00811
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
貴田 潔 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (30759064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土山 祐之 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (00963216)
湯浅 治久 専修大学, 文学部, 教授 (70712701)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 生業史 / 景観史 / 中世村落 / 稲作 / 畠作(畑作) / 中世史料 / 近世史料 / 古老の方々からの聞き書き / 排他性・閉鎖性を伴う村共同体 / 生業論 / 景観論 / 文字知としての史料 / 非文字知 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、生業論と景観論という2つの潮流の融合を図りながら、中近世移行期としての16~17世紀に注目し、排他的なナワバリを伴う村共同体の形成を分析する。 現地調査を通じて、文字知と非文字知の両方を含む歴史・文化資源の情報を集める。そして、これらの情報を複合的に利用することで、永続性をめざしつつ、排他性・閉鎖性を帯びていく村共同体の形成史を復元する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本計画では、(A)中世史料、(B)近世史料、(C1)水利踏査、(C2)聞き書きなどの諸情報を複合的に組み合わせながら、中近世移行期の村共同体の像を描くことを目的としている。本年度(2023)は、遠江国原田荘故地(現静岡県掛川市)のなかでも最上流の原泉地域にて、合計15回の現地調査をおこなった。 まず、(B)近世史料については、続く近現代史料ともに居尻地区・萩間地区の区有文書を整理し、目録作成・写真撮影などの作業を実施した。準備期間としての2021・2022年度の成果と併せると、これまで黒俣地区・居尻地区・萩間地区で調査した史料の総点数は約1,500点ほどになろうかと推測される。その内容としては、田地・畠地の面積・等級、農業用水の利用、稗・粟・芋・豆・材木・竹・木炭・鮎を含む多様な特産物の概要など、近世村の生業のあり方を示した史料も少なくない。 また、(C1)水利踏査については、居尻地区・孕石地区で現行の灌漑体系を記録した。なお、これまでに黒俣地区での水利踏査も一部で実施している。 それから、(C2)聞き書きについては、居尻地区・萩間地区でこれを実施した。沢水や原野谷川からの取水による水稲栽培や、大麦・小麦・粟・稗・蕎麦・豆・茶などの畑作について、古老の方々より往時の記憶をうかがった。また、カシやナラによる木炭の生産も盛んであったという。 概して、中世から現代にいたる長い歴史のなかで、当該地域では、稲作のみならず、多様な畠作(畑作)や山野の利用に生活の基盤を置いていたと理解される。今後、これらの生業を総体的に捉えながら、村共同体の変遷を描いていくことが肝要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠江国原田荘故地(現静岡県掛川市)に関しては、合計15回の調査を実施し、原泉地域における近世・近現代史料の整理をおよそ完了できた。こうした活動は複数の有志との調査体制(通称「原の会」)によるものであり、本研究はおおむね順調に進展していると判断される。なお、本研究での調査は、地域の歴史・文化資源を将来の喪失から守ることも副次的な目的としている。そうした課題に対応した活動の成果は、社会的意義を伴うものとしても評価できよう。 但し、本研究では駿河国上野郷故地(現静岡県富士宮市)についても調査・研究の対象としているが、本年度(2023)はその遂行が不十分であった。そのため、次年度(2024)以降にも進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、遠江国原田荘故地(現静岡県掛川市)に関しては、本年度(2023)に原泉地域の近世・近現代史料の整理を完了したことから、(B)近世史料の調査は次年度(2024)からは原田地域にて進める。一方、(C1)水利踏査と(C2)聞き書きについては原泉地域でもまだ不十分であることから両地域で継続して進めたい。 次に、駿河国上野郷故地(現静岡県富士宮市)に関しては、(C1)水利踏査を下条地区で終わらせたい。また、(C2)聞き書きを精進川地区と上条地区で進めたい。
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