Project/Area Number |
23K00871
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小林 元裕 東海大学, 文化社会学部, 教授 (80339936)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | BC級戦犯裁判 / 中国国民政府 / 北京 / 上海 / 南京 / 瀋陽 / 中国 / 国民政府 |
Outline of Research at the Start |
本研究は第二次世界大戦終了後の1945年12月~1949年1月に中国で実施された国民政府によるBC級戦犯裁判のうち、特に研究の遅れている中国東北部(旧満洲国)、華北での裁判を中心にその実態解明を目指すものである。戦勝国となった中国は、国民政府が戦争犯罪処理委員会を設置して戦犯裁判の準備を進め、北京、上海、南京、台北などの10都市に法廷を開設し、最終的に866名のBC級戦犯を裁いた。従来の研究において、これらの裁判は戦犯の選定、法廷での審議等に多くの問題があったとされるが、本研究では、近年、中国で公刊されたBC級戦犯関係の資料を中心に、未公刊の資料も利用してBC級戦犯裁判の実態を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は当初の予定どおり、中国の公文書館に所蔵されている公文書(档案)での史料収集について、東海大学研究生の李暁闖氏に協力を依頼して、北京市、上海市、南京市で史料収集に当たってもらった。北京市档案館では、東北督導組が南京から瀋陽へ赴く途中に北京でまとめた報告書のフォーマットを入手、上海市档案館では、上海における戦犯調査の法令に関する公文書などを入手できた。上海では中国で戦犯裁判研究の中心機関となっている上海交通大学戦争審判与世界和平研究員の曹魯曉、儲欣余両氏と面会して中国における戦犯裁判研究についての史料公開状況や研究についての情報交換を行った。南京の中国第二歴史档案館では、オンラインによる閲覧予約を2週間前にしないといけないことが判明し、今回閲覧できなかったものの南京大学の馬海天氏に面会して情報交換を実施した。 以上のように、中国各地での公文書収集では大きな成果を得られなかったが、出版物からは、近年、中国で編纂が進む、省・市・県レベルの公文書史料集および日本で出版された『オンライン版 法務省旧蔵東京裁判・戦争裁判関係資料』第一部を購入して研究を進めた。河北省档案館編『河北省档案館蔵抗戦档案選編』全6冊(中華書局)、江蘇省档案館編『江蘇省档案館蔵審判日本侵華戦犯档案彙編』(中華書局)は直接的な裁判史料ではないが、裁判が対象(訴因)とする事件関係の史料であり、徐家俊『審判従這里開始-日本戦犯在上海的審判』(三聯書店)からは現時点での中国における最新の研究状況が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中国での公文書閲覧と史料収集には当初から困難を予想していたので、大きな驚きはないが、従来、中国の大学教員による紹介状で公文書館を利用できていた状況が大きく変化し、コロナ禍以後、公文書の閲覧予約に中国アプリを使用して手続きをしなければいけないことが判明した。その予約方法は地域ごとに異なるが、国外から予約するのが難しく、公文書の閲覧は以前よりも困難になっているとの印象を持った。しかし、「研究実績の概要」にも記したとおり、中国の省・市・県レベルの档案館が所蔵する公文書を史料集として発行する動きが進展していて、現時点では、これらの史料集を入手して研究を進めるのがもっとも現実的だと考える。 2023年度は、これらの史料集についての情報を得て、現物を入手する段階にとどまっており、研究論文をまとめるまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、中国各地の档案館における公文書収集にかなりの困難が伴うことが判明したので、今後は北京、上海、南京、瀋陽など戦犯裁判が開催された地域において発行されていた新聞類の史料を中心に収集を進める。各地の档案館だけでなく、北京の中国国家図書館をはじめ、省・市レベルの図書館そして大学図書館での史料収集を進めたい。公文書については、史料集として公刊される可能性があるので、情報を見落とさないよう注意して入手に努めたい。
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