Project/Area Number |
23K00876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
秋山 徹 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90704809)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 中央アジア / キルギス / ロシア帝国 / 遊牧 / 中央ユーラシア / ソ連 / ナショナリズム |
Outline of Research at the Start |
クルグズ近現代史をめぐっては、北部クルグズの研究が重点的に進展してきたが、本研究では、これまで研究上の死角となってきた南部クルグズに着目し、その有力者層を、プロソポグラフィーを用いて包括的な分析を加え、彼らのモビリティを析出することで、南部クルグズのプロト・ナショナリズムの成熟度合いを考察する。この作業を通して中央アジア近現代史の空隙を埋めるにとどまらず、従来のナショナリズム研究に新たな一石を投じ、ユニークな参照点を提供することによって中央アジア近現代史の動的な再構築に寄与するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中央アジア南東部の天山山岳地帯に暮らす遊牧民クルグズ(キルギス)のプロト・ナショナリズムの様態を一次史資料の精査と読解にもとづいて実証的に解明することを目的とする。クルグズ近現代史をめぐっては、北部クルグズの研究が重点的に進展してきたが、本研究では、これまで研究上の死角となってきた南部クルグズに着目し、その有力者層を、プロソポグラフィーを用いて包括的な分析を加え、彼らのモビリティを析出することで、南部クルグズのプロト・ナショナリズムの成熟度合いを考察する。 研究初年度である本年度は、まず初めに、研究に使用する史資料の所蔵状況の確認と整理を行なった。これまで当該時期における北部クルグズの研究を行うなかで収集してきた史資料全体を再検討し、南部クルグズの分析に有用と思われる文献や公文書をリストアップした。これと並行して、南部クルグズに関する未入手の同時代史資料のリストを作成した。8月後半にはクルグズ共和国において現地調査を実施した。首都ビシュケクにある国立中央歴史文書・政治文書館(大統領文書館)・国立図書館において、前述のリストにもとづきながら研究に必要な史資料の閲覧・収集に当たった。本年度後半においては、夏季に実施した現地調査で収集した史資料も併せながら、それらの読解・解析に取り組み、南部クルグズを管轄するロシア帝国の統治規定や軍事行政権力の変遷をはじめとして、ロシア支配に関わるハード面を整理するとともに、南部クルグズを構成する部族集団の名称・規模等の基本情報についても把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウズベキスタン共和国国立中央公文書館における史資料調査およびアライ地方を中心とするクルグズ共和国南部の景観・地形調査を計画していたものの、実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度予定していたものの果たせなかった、ウズベキスタン共和国国立中央公文書館において史資料調査を今年度実施するとともに、アライ地方を中心とするクルグズ共和国南部の景観・地形調査も併せて実施したい。公文書として保管されている事案の検討を通して、ロシア権力がどのように南部クルグズ社会に進出・浸透していったのか明らかにする。この作業に際し、コーカンド・ハン国時代の権力関係がロシア支配のもとでどのように再編されたのかという点に留意する。同時に、前述の作業と並行して、南部クルグズの有力者を抽出し、プロソポグラフィーを用いて、出自、家族構成、影響範囲、血統、人脈、学歴、職歴、信仰、思想信条、ロシア権力との関係性といった複数の観点から包括的に分析する。
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