十字軍期東地中海世界における東方キリスト教諸教会間の交流と社会
Project/Area Number |
23K00883
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
辻 明日香 川村学園女子大学, 文学部, 教授 (60549509)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 東方キリスト教 / 十字軍 / コプト / 論駁書 / 交流史 / 東方キリスト教会 / イスラーム史 / 中東 |
Outline of Research at the Start |
11世紀末第1回十字軍がエルサレムに入城したとき、東地中海沿岸部の人口の半数ほどは未だキリスト教を信仰していた。本研究は十字軍支配下の西アジアにおいて、東方キリスト教諸教会に属する人々がそれぞれの教会間、さらにはローマ・カトリック教会やイスラーム教徒とどのような関係を築いていたのかということを、彼らが残した史料から考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の概要は以下のとおりである:11世紀末第1回十字軍がエルサレムに入城したとき、東地中海沿岸部の人口の半数ほどは未だキリスト教を信仰していた。この地域においてイスラーム化が本格的に進展するのは13世紀以降のことである。これらキリスト教徒は様々な教会に属していた。本研究は十字軍支配下の西アジアにおいて、東方キリスト教諸教会に属する人々がそれぞれの教会間、さらにはラテン教会(ローマ・カトリック教会)やイスラーム教徒とどのような関係を築いていたのかということを、彼らが残した史料から考察する。 十字軍という運動は、キリスト教とイスラーム(教)の衝突として捉えられがちである。現地住民が必ずしもイスラーム教徒ではない場合、この枠組みは有効なのだろうか。今日において西アジアのキリスト教徒は少数派であるゆえか、十字軍国家と現地のキリスト教徒、すなわち東方キリスト教諸教会信徒(ビザンツ、アルメニア、シリア正教、東シリア、コプト、マロン教会等)との関係は見過ごされがちである。彼ら自身が十字軍期に著した史料に注目した場合、どのような社会のあり方が浮かび上がるだろうか。 本研究の中心はは13世紀コプト教会にて著された異宗派論駁書の内容を分析し、十字軍期エルサレムにおけるキリスト教諸教会のあり方を考察することにある。2023年度は1. オンラインで閲覧可能なものを中心に写本の分析を行った。2. 内容やコプト教会文学の中の位置付け等に関する研究に関しては、メールやzoomなどを利用しながら海外の研究者と情報を交換しながら進めた。3. 10月にフランス・パリで開催された東方キリスト教に関するワークショップにて報告し、本研究に関する情報・意見交換を行った。報告原稿は改訂の上フランスの学術雑誌に掲載される予定である。また、パリのフランス国立図書館にてオンラインでは閲覧できない資料の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
写本の分析のほか、海外でのシンポジウム報告も実現し、概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も引き続き1. 写本の収集と分析を行い、2. 国内外の研究者と協力しながらこの異宗派論駁書の内容について研究を進める予定である。航空券の値上げや円安という問題があるが、2024年度中に海外にて写本調査を行いたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)