Project/Area Number |
23K00884
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
藤波 伸嘉 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90613886)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | オスマン帝国 / 憲法 / 国際法 / 行政法 / 正教会 / ギリシア / 正教 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は大きく三つの課題を扱う。第一に、帝国内部の正教徒の国制論の特徴を考察する。第二に、オスマン帝国に立憲政をもたらした1908年の青年トルコ革命後、法学者の議論に生じた変化を考察する。第三に、第一次世界大戦終結後における法学的議論の新展開を検討する。オスマン帝国の滅亡とトルコ共和国の成立に至るこの時期の展開を、それが法的にはどのように正当化され、そこには19世紀末以来の法学的言説からのどのような連続性が見出されるかを論ずる。トルコ語ギリシア語双方の言論に加え、西欧諸語による議論も参照しながらこの三点を併せ検討することで、近代オスマン法学の特徴を総合的に示したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の一年目に当たる本年度は、今後の研究の基礎を築くべく、史料の収集及び分析に重点を置きつつも、新たな史料収集や論文執筆にも着手した。 家庭の事情や新型コロナウイルス感染症の影響により長らく在外調査をすることができなかったが、本年度は短期間とはいえ2月にトルコ共和国イスタンブルでの調査を行なうことができた。オスマン文書館及びイスラーム研究センター附属図書館にて、現地でなければ実見不可能な文書史料の調査及び収集を行なうと共に、市内書店にてやはり現地でなければ入手の難しい研究書を購入することができた。 このかん、依頼により学会誌に日本語論文を一本寄稿したほか、外国の学会誌に投稿した英語論文がオンラインによる先行公開という形で一本掲載された。そのほか、3月には英語による研究報告を一回行なっている。これらは近代オスマン帝国をめぐる憲法制定や法学思想の展開をムスリムと正教徒の両者から、できる限り世界史全体の動向に位置付けつつトルコ語ギリシア語に加え西欧諸語の史料に基づいて考察した成果であり、国際的にも一定の評価を得ているものと思われる。また、依頼により論文集に日本語論文を一本寄稿した。これは前年度に行なったシンポジウムの成果であり、オスマン帝国の君主号にまつわる諸問題をやはりトルコ語ギリシア語に加え西欧諸語の史料に基づいて論じた。これは研究成果の一般社会への還元という点でも意味のある仕事だと思われる。 総じて本年度は、在外調査と研究発表の両面で一定の成果を上げることができたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トルコ共和国での調査を再開できたこと、和英両言語による研究発表も一定の水準で行なうことができたこと、並行して手持ちの史料の分析もそれなりに進めることができたことに鑑み、おおむね計画通り順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、年に1~2度の在外調査を基本に据えつつ、それ以外の時期は収集した史料の分析を進めていく。研究の進展に応じて、和英両言語での発表を積極的に行なう。
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