Victims of the Revolutions and Political Culture in Modern France: A Study of July Column in Paris
Project/Area Number |
23K00893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長井 伸仁 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10322190)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | フランス / 革命 / 政治文化 / 死者 / 墓地 |
Outline of Research at the Start |
バスチーユ広場の中心に建つ「七月の円柱」は、フランス七月革命を顕彰する国家的モニュメントであると同時に、墓碑でもある。その基部には、七月革命と二月革命に参加して斃れた人びとの遺体が集団で埋葬されているからである。フランス革命の究極の「記憶の場」であるバスチーユ跡地では、今日に至るまで数多くの政治儀礼や示威行動がおこなわれてきた。そのような表象や機能に対し「七月の円柱」はどのように関連しているのか。本研究はこの特異なモニュメントについて、その墓碑/墓地としての性格を考察の中心に据え、身体性と記憶の観点から、1830年から1880年代までの時期を対象に、実証的に考察するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、パリのバスチーユ跡地に1840年に建造されたモニュメント(「七月の円柱」)の基部に、七月革命および二月革命の犠牲者が埋葬されている事実に注目し、その建造の経緯、犠牲者の認定作業、落成式の様子、モニュメントの表象と政治利用などを研究するものである。それを通じて、19世紀フランスに継起した諸体制のそれぞれが犠牲者の身体をいかに認識していたのか、身体の重要性はどのようにして減退に向かうのかなどを明らかにし、近代特有の政治文化を浮かび上がらせることを目指す。 フランス革命期の政治史研究によれば、革命の参加者・犠牲者はその身体性を中心に据えて認識・表象されており、その対象は革命の中枢を担った人物に限らず無名の市民にも広く及んでいた。「七月の円柱」が墓地の役割を付与されたことは、この政治文化が継続していたことを示唆する。もう一つ注目すべきはバスチーユという場の重要性であり、建造物は1789年の占領後まもなく解体されたが、跡地ではその直後から祝祭などが頻繁に開催され、フランス革命の「記憶の場」の位置を早くから獲得していたことがうかがえる。 七月革命の蜂起側犠牲者については、革命直後の混乱のなかでルーヴル宮やイノサン墓地に埋葬されていたことが確認された。また、街区や街路のレベルで詳細な調査が市民によっておこなわれ、犠牲者一覧が市当局に提出された事例も確認できた。1840年の円柱建立は、このような市民に発した動きを政府が汲み上げた側面もあると考えられる。 1848年については、二月革命直後の3月10日に犠牲者の合葬式が挙行されたことに注目したい。合葬までの期間の短さは、円柱が「革命の記念碑かつ墓地」として広く認知されていたことと、犠牲者の特定が迅速におこわれていたことを示すと考えられる。これらの点については今後の調査の対象としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、関連諸分野の研究をフランス以外も含めつつ調査した。また史料としては、新聞、政治家の回想録、小冊子類を閲覧したほか、パリ市歴史図書館に所蔵されている七月革命関連の行政文書と、パリ文書館に所蔵されている七月革命犠牲者の補償関連記録を閲覧した。いずれも過去の史料調査で部分的に撮影していたものであるが、それによれば、七月革命の参加の認定を求める住民は相当な数に上っていた(たとえばパリ第12区だけで1830年に829名の認定申請がなされている)。 この史料のより包括的な調査を令和5年度後半にフランスで実施する予定であったが、おもに時間的な制約からこれを実施できず、令和6年度に持ち越すことになった。この点が研究の一定の遅れの主因になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、前年度に引き続き隣接分野も含めた関連研究の調査をおこなう。また、2週間程度の史料調査を二度、実施する予定である(うち一度は令和5年度に実施予定であったものの代替である)。当初の計画にしたがい、令和7年度に補足的な史料調査を実施したのち、研究の取りまとめと成果報告をおこなう所存である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)