Project/Area Number |
23K00904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
青木 恭子 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (10313579)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2027: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ロシア近代史 / 移民史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、帝政ロシアにおけるアジアロシア入植者の定着と適応に関する研究である。19世紀後半以降、移住者数の増加とともに送出県もヨーロッパロシア全域に拡大し、アジアロシア入植地には出身地域や文化的背景を異にする入植者が混住する集落が形成されるようになる。このように多様な文化的背景をもつ人々が、故郷の伝統や慣習をそれぞれ持ち込んで共存する空間では、人々の暮らしはどのように構築されるのか、そこに見られるのは文化の持続性か変容なのか。この点について明らかにするために、入植地の農村社会や農民家族の実態に迫っていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、帝政ロシアにおけるアジアロシア入植者の定着と適応について明らかにすることにある。19世紀末以降、移住者が急激に増加し、移住者の送出県もヨーロッパロシア全域に拡大するにつれて、アジアロシア入植地には出身地域や文化的背景を異にする入植者が混住する集落が形成されるようになる。このように多様な文化的背景をもつ人々が、故郷の伝統や慣習をそれぞれ持ち込んで共存する空間では、人々の暮らしはどのように構築されるのか。本研究では、移住者が当局に対して行った様々な申請や嘆願を史料とし、申請に至った事情説明の記述を重点的に分析することで、入植地の農村社会や農民家族の実態を明らかにすることを目指している。 本研究の史料となるべき文書は、ロシア連邦サンクトペテルブルク市にあるロシア国立歴史文書館に保管されている。しかし、ロシア・ウクライナ戦争のため、ロシアへ入国できない状況が続いている。そこで、カザフスタン共和国に出張先を変更し、カザフスタン共和国国立中央文書館(アルマティ市)でステップ総督府への移住・入植に関する資料収集を行うことにした。 出張先を変更したことにより、結果的に、本研究の対象地域をアジアロシア全域からステップ総督府へ絞り込むことになった。シベリアの南に広がるステップ総督府はカザフ族の生活空間であり、シベリア諸県とは異なる入植規則が定められていた。今後の研究では、ステップ総督府という地域の特殊性についても新たに加味していくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロシア入国が所属機関の規定により許可されないため、本研究で当初予定していたロシア国立歴史文書館所蔵文書の資料収集が不可能となっている。そこで、新たにカザフスタン共和国国立中央文書館での資料収集を試みた。今回が初めての出張であるため、試行的な資料収集に終わることは想定の範囲内であり、文書館の利用方法を確認できたことは成果であったが、残念ながら一度の短期出張では有用な史料を探し当てるまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の研究では、中央アジアへのロシア人入植者集団はロシア帝国による植民地化の「尖兵」のように見られがちであった。しかし、当研究代表者がこれまでの研究で明らかにしてきたように、ロシアの移住農民は国家の意向を体現して行動するような従順な人々ではない。研究対象をステップ総督府に絞り込むことで、「集団としてのロシア人入植者」ではなく、移住者個人としての顔が見える研究が、これまで以上に重要になる。 今後も継続してカザフスタン出張を行うと同時に、ステップ総督府に関する文献を収集し、この地域に関する研究を進めていく。
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