Project/Area Number |
23K00911
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
薩摩 真介 立命館大学, 文学部, 准教授 (70711125)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | イギリス / スペイン / シーレーン / 航行の自由 / 大西洋世界 / 海軍 / 海洋紛争 / 航行権 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1710年代後半から1730年代末にかけてイギリスとスペインとの間で生じていた、カリブ海を中心とする大西洋海域における航行の権利や安全確保をめぐる問題、とりわけスペインの沿岸警備隊によるイギリス商船の拿捕問題に焦点を当て、その問題がいかにして、後にイギリスが大西洋世界におけるシーレーンの支配と統制を確立していく契機となったのか、その解明を目指すものである。さらには、その分析を通じて、この対立が長期的な観点から見て、大西洋海域における航行や通商の安全確保、および掠奪行為の統制のための海洋における法秩序の確立にどのような影響を与えたかの解明も目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究開始の2023年度は下記に述べるように本務校での勤務が多忙を極め、研究を計画したようには進めることはできなかった。そのため昨年度は新たな一次史料の調査や実証研究を進めるというよりも、これまでの研究成果をまとめるとともに、今後の研究の展開や史料調査のための足固めに注力することに主眼を置いた。 前者の研究成果のまとめとしては、かねてイギリスの学術雑誌Journal of Imperial and Commonwealth Historyに投稿していた関連するテーマの論文 'Severing the Sinews of the Spanish Empire: British Naval Policy and Operations Regarding the Silver Fleets during the War of Jenkins’ Ear, 1737-1740’を、査読者の修正要求に基づく修正を経て昨年度に無事に出版することができた。Journal of Imperial and Commonwealth History誌はイギリスにおける帝国史についてのトップジャーナルであり、同誌に掲載ができたことは今後の研究の上でも大きな弾みとなった。また参考までに、国立民族学博物館の共同研究「人類史における移動概念の再構築ーー「自由」と「不自由」の相克に注目して」で進めていた関連するテーマの論考も論集として出版される予定である。 一方、今後の研究の展開や史料調査のための基礎的な足固めについては、過去に収集していた関連する一次史料の整理を進めるとともに、本課題で中心的に扱う問題についての二次文献、特にイギリスの対スペイン領貿易関連の文献や、スペイン植民地側の政治経済史に関する文献、さらには広く近年の帝国史の動向に関する文献などを読み、研究テーマの背景的知識の調査をさらに進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は本務校の学科主任に相当する役職に就いたため、学内の諸業務や諸案件の対応に追われるうちに、一年が終わってしまった。その結果、誠に遺憾ながら、当初の計画のようには研究を進めることはできなかった。 とくに、授業期間中は言うまでもなく、授業のない、春休み期間や夏休み期間の間であっても、主任会議などの業務が断続的に入ったため、史料調査のための海外渡航に必要なまとまった時間を取ることができず、イギリスなど海外の文書館での一次史料調査のための海外渡航は、昨年度は見送らざるを得なかった。 ただし、その間も二次文献による調査は、時間を見つけてかろうじて進めることができたが、全体の進捗状況としては当初の計画より遅れてしまったと言わざるを得ないのが実情である。しかし、幸いにも学科主任の役職は昨年度限りで終了したため、本年度以降に、可及的速やかにイギリスやフランス、ジャマイカなど海外の文書館での一次史料調査を再開して、これまでの遅れを挽回したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず目下の優先事項としては、上述のように、昨年度はあきらめざるをえなかった海外の文書館での一次史料調査を実施したい。具体的にはイギリスの英国図書館や、英国国立公文書館、ケンブリッジ大学図書館、フランスの外交文書館などを考えている。また近年中に訪問を予定しているジャマイカの文書館での資料調査のための下準備もあわせて始めたい。 次に、出版物としては、上述の国立民族学博物館の共同研究に基づく論考の出版に向けての最後の修正を進めるとともに、本科研の成果として、新たな論文の構想を練りたい。その論文は、可能であれば、英語論文として数年以内に再び海外の国際査読誌への投稿を目指したい。またそれとあわせて、すでに入手している一次史料や利用可能なオンライン史料集に収録されている史料の閲覧と分析、整理を進めていきたい。加えて、二次文献の渉猟を通じた、イギリス帝国史やスペイン領植民地史の背景知識のさらなる蓄積も継続して行っていく予定である。
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