A Preliminary Study for Constructing International Network of Image Archives on Afghan Cultural Heritages
Project/Area Number |
23K00915
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60201935)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | アフガニスタン / 文化遺産 / デジタル・アーカイブ / 国際連携 / 画像データベース / アーカイブ・ネットワーク |
Outline of Research at the Start |
本研究は、紛争や気候変動などの理由で失われつつある、あるいはすでに失われた過去の文化遺産や文化財を、これまでの研究の中で蓄積されてきた写真や発掘日誌等々の資料の電子化と、検索可能なデータベースを構築することで、電子的に保全復元することを目指すものである。京都大学が所蔵するアフガニスタン考古遺跡資料データベース(KAAMA Database)を中核に、遺跡の全体像や、時代的変化までもトレースできる包括的アーカイブを構築するための第一歩として欧米各国における類似・関連写真資料の所在調査とデータ運用実態を確定し、将来的な国際連携アーカイブ構築の第一歩とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
アフガニスタン文化遺産情報に関する国際連携アーカイブ構築にむけた基礎的研究のための予備作業として、2023年度は以下の事業を実施した。 1) 京都大学アジア考古学調査アーカイブ (KAAMA)の構築作業をすすめ、画像データについては3000点近くを登録し、あわせてメタデータの付与を進めた。 2) 2023年6月、オーストリアFWF 研究プロジェクト Cultural formation and transformationとローザンヌ大学が共催したワークショップ、Looking into the multi sources for the Shahi's historyに参加、研究報告を行うとともに、同プロジェクトが構築運用するデータベースの内容に関する討議を行った。 3) 2023年8月、ライデン大学で開催された第10回ヨーロッパ・イラン研究学会においてアフガニスタン古代史関連のパネルを主催し、研究報告と議論を行うと同時に、イギリスが1970年代に発掘調査を実施した旧カンダハール遺跡の資料の所在についての調査を行った。 4) 2024年2月、日本学術振興会ワシントン・センターの後援を受けてデラウェア大学で開催されたシンポジウムolitics and Archaeological Missions in Afghanistan: Japanese and International Research on Afghanistan and Iranian Plateauに参加し、研究報告と議論を行った。それぞれの意義については次項に記す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記概要に記した三つの国際研究集会での報告と議論そのものは、アフガニスタンの考古学・古代史に関連する内容のものであり、かつ同時に参加していた研究者たちはそれぞれアフガニスタンでフィールドワークを行い、自ら資料を各国に将来した人々であった。特に、1970年代にアフガニスタンでフィールドワークを行ったウィーン大学名誉教授 D. Klimburg-Salter氏、オーストリア美術史美術館において卓越した貨幣データベースを構築運用したM. Alram博士、イギリスによるアフガニスタン考古調査の主要メンバーだったWarwick Ball博士、古代イラン語の世界的権威であるロンドン大学名誉教授N.Sims-Williams氏、イタリア・アフガニスタン考古学調査団のメンバーでもあったドレクセル大学教授P. Brancaccio氏、2000年代前半にアフガニスタン国立博物館の所蔵データベース作成を行ったシカゴ大学教授G. Stein氏らと、国際連携アーカイブについて具体的に議論する機会を持つことができたのは非常に重要であった。いくつかの写真資料の所在について新しい情報が得られたこと、および今後の共同作業に向けてある種のコンソーシアムを設立し、そこを窓口に協同作業を行うとの方向性が合意された。二年目以降の作業に向けて非常に具体的かつ確固たる基礎を構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の成果をうけ、二年目は、具体的にイタリア、イギリス、フランス、アメリカに滞在し、各研究機関の所蔵資料の簡易目録を作成する作業を実施する。すでに4月からヴェネツィア大学で作業を始めているが、5月にはナポリ大学、6月にはローマ大学および国立図書館で、アフガニスタン考古資料の所在調査を実施する。また9月から10月にかけてイギリス・オクスフォード大学で資料調査を行い、その後二ヶ月間、パリの国立極東学院に受け入れてもらい、ギメ美術館、コレージュ・ド・フランス、CNRSに分散所蔵されているとおぼしき資料調査を実施する。年明け1月から3月にかけては、ハーヴァード大学、シカゴ大学、カリフォルニア大学バークレー校で同様の調査を実施すべく、現在受け入れ機関を探りつつ、交渉を行っている。これによって、関連資料の具体的所蔵状況が判明するなら、これまでの状況に比べて大いなる進歩と言って良いと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)