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中央ユーラシア出土品の検討に基づく西域の絹に関する研究ー織物産地同定を目指してー

Research Project

Project/Area Number 23K00928
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 03050:Archaeology-related
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

村上 智見  北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 特任助教 (70722362)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Keywords考古学 / シルクロード / 染織品 / 繊維
Outline of Research at the Start

「シルクロード」という呼称は、絹が古代の東西交易において大きな役割を果たしたとして後の時代に名づけられたものである。しかし、数ある交易品の代表であるはずの「シルク」について、我々はその産地や特徴、交易ルートなどを十分に明らかにできていない。
そこで本研究では、我が国を含む東アジアに伝わった染織品の製作地を明らかにすることを目的に、「西域」の染織品に着目してその特徴を明らかにする。特に未調査資料の多い中央ユーラシア出土品を対象に、中国出土品および日本に伝世する染織品と比較することで、その特徴を明らかにする。さらには染織品の技術伝播および流通の様相から、古代ユーラシアにおける東西交流の実態に迫る。

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、「西域」の染織品とはどのようなものであり、日本を含むユーラシア各地にどのような影響を与えたのか?について明らかにすることを目的とする。中国漢代から正倉院宝物がもたらされた8世紀頃までの染織品および染織表現がみられる図像資料に着目し、中国出土品に加え未調査資料の多い中央ユーラシア出土品の調査を通して、製作地ごとの特徴を明らかにする。具体的にはソグディアナ製、タリム盆地製、中国製の特徴を明確にする。これにより、我が国の伝世資料を含むシルクロード染織品の産地同定を可能にするとともに、染織技術の伝播と流通状況から、シルクロードの東西交流の一端を明らかにする。
2023年度は、ソグディアナの都市遺跡の発掘調査および資料調査を行った。発掘調査は繊維資料および図像資料の発見を主たる目的としたものであり、サマルカンド州のクルドル・テパ遺跡を調査した。本遺跡を選定した理由は、ソグディアナの都市遺跡として著名であり、地理的に有機質が残存しやすい可能性があるためである。本発掘の結果、ゾロアスター寺院とみられる遺構を発見し、拝火壇とみられる遺構から良好な状態の漢代鏡とみられる鏡が、繊維製品を付着した状態で出土した。鏡は現在のところ2世紀頃の製作と考えており、ゾロアスター寺院と鏡という大きな発見と共に、繊維製品の発見についても、7世紀以前の繊維がほとんど出土していないソグディアナでは極めて重要な発見となった。現在、繊維製品の技法を検証しており、今後は材質分析を進める予定である。
ソグディアナの遺跡では、一般に有機質が残存することは難しいが、今年度のクルドル・テパ遺跡調査で木製建築材がほとんど劣化せず生木の状態で出土するなど、極めて珍しい発見があったことから、今後さらなる繊維製品の発見を期待し調査を継続したいと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は当初の計画にどおりに研究を順調に進められており、発掘現場での繊維資料保存による新出資料の発見と、図像資料の発見など重要な成果を出すことができた。このため「おおむね順調に進展している」とした。

Strategy for Future Research Activity

今後は以下の計画で研究を進める予定である。
A.ソグディアナの染織技術体系復元:シルクロードに流通した絹織物は広範囲で技術・文様が類似し、製作地同定が困難な場合が少なくない。しかし、絹織物生産に在地の伝統的な織物技術が影響を与えた可能性があることから、従来見過ごされがちであった絹以外の炭化資料や土器布圧痕等の調査を通して、ソグディアナの伝統的な染織文化および織物技術体系を復元する。これにより、在地の染織文化が絹織物製作に与えた影響を明らかにし、当該地域の染織品の特徴を明確にする。具体的には、初期鉄器時代の土器布圧痕、2世紀ごろの繊維資料、7~8世紀の炭化織物の調査を計画している。
B. ソグディアナ製、タリム盆地製、中国製の分類:未調査資料の多い中央ユーラシア出土品の調査、発掘現場での染織品保存、科学的調査などを行うことで資料数を増やし、判別の難しい中国製、タリム盆地製、ソグディアナ製の絹織物の特徴を検証する。染織資料の調査に加えて、図像資料にみられる染織表現も収集し、上記地域の染織品の特徴を検証する。
C.西域の染織文化が東アジアに与えた影響:上記の調査から、「西域」の染織文化が我が国を含む東アジアに与えた影響について検証する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2024

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ソグディアナの都市を探るーウズベキスタン共和国クルドル・テパ遺跡発掘調査(2023年度)ー2024

    • Author(s)
      村上智見, ベグマトフ・アリシェル, サンディボエフ・アリシェル, 宇野隆夫, 寺村裕史, 末森薫, 押鐘浩之, 伊藤幸司
    • Organizer
      第31回西アジア遺跡調査報告会ー令和4年度考古学が語る古代オリエント
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] ソグディアナの都市を探るーウズベキスタン共和国クルゴン・テパ遺跡発掘調査(2023年度)ー2024

    • Author(s)
      村上智見, ベグマトフ・アリシェル, サンディボエフ・アリシェル, フジャモフ・サナット, マハマディエフ・ガイラット, アルジエフ・コミルジョン, 宇野隆夫, 寺村裕史, 末森薫, 押鐘浩之
    • Organizer
      第31回西アジア遺跡調査報告会ー令和4年度考古学が語る古代オリエント
    • Related Report
      2023 Research-status Report

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Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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