Project/Area Number |
23K00947
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03060:Cultural assets study-related
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
西澤 岳夫 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (00300509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋戸 理明 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (10425910)
平澤 宙之 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 助教 (50912333)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 戦争遺跡 / 旧日本陸軍 / 計根別飛行場 / 飛行機用有蓋掩体 / 3Dスキャナ / コンクリート劣化 / 北海道 / 有蓋掩体壕 / 電探施設 / 現地調査 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,北海道別海町から日高町にかけて現存する旧軍施設のうち,有蓋掩体壕や電探施設などの現状を明らかにするとともに,近代日本史への関心を喚起し広く理解してもらうことを目的とする.調査対象は,別海町と根室市に現存する有蓋掩体壕,釧路市と日高町に現存する電探施設である.現地での調査内容は,コンベックスやレーザー距離計による実測,赤外線カメラによるコンクリートの劣化調査,ポータブル3Dスキャナによる立体情報の収集である.これら調査により得られたデータを用いて各種図面を作成,画像の分析をすることで,調査対象とした旧軍施設の構造的特徴や現状を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる令和5年度は、まず史料調査として、旧軍が作成した関連文書を防衛研究所戦史研究センター史料室やアジア歴史資料センターに求めた。また同時に保存整備の先進事例として近傍の大沢1号、2号(三鷹市)、および白糸台掩体壕(府中市)の視察と関係者への聞き取りを実施した。次いで旧陸軍計根別第一飛行場1号有蓋掩体(別海町)の現地調査を実施し、持ち帰ったデータをもとに構造規模や躯体の劣化状況の確認、分析を行った。 史料調査では、一般書籍や既往研究で度々引用されることのある「飛行機用有蓋掩体鋼製型枠構築法(Z6二型)」や「築城施設教範(草案)」の他、戦争末期における国内飛行場の状況を示した「飛行場記録」や「防衛態勢強化ニ伴フ施設要領」など、旧軍の航空基地築城の考え方を知る上で有用な史料を複数得る事ができた。 現地調査では、当該遺構の構造規模が前掲施設要領の附図に見られる「大型覆土半地下式「コンクリート」飛行機掩体」に類似すること、その一方で平面や垂れ壁の形状、小庇の有無の他、幾つかの相違があることを確認できた。その躯体形状は鉄筋コンクリート造アーチ・シェル構造で、径間最大30m弱、奥行き20.5m、正面開口付近の内法拱頂高は起拱点高より4.3m程あり、奥に行くに従ってなだらかに低くなっていた。劣化状況については、内側に多数のひび割れや、骨材の露出、遊離石灰の析出、錆汁の可能性が懸念される茶色の漏出物が確認された。特にアーチに沿った長い3本のひび割れには、深刻度の高い前述変状が見られた。当該遺構で最も注意を払うべきは、前掲長いひび割れと遊離石灰を伴う亀甲状のひび割れである。今回は目視点検をベースとした調査であったが、躯体内への継続的な水分の供給を断つため掩蓋上部に自生する草木の撤去や防水処置を施すなど、今後長期保存する場合の方策の検討がある程度可能であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の調査対象である有蓋掩体、および電探施設に関する旧軍史料の収集は令和5年度中に概ね終えることができた。また、旧陸軍計根別第一飛行場1号有蓋掩体の現地調査も予定通り実施することができ、躯体形状、およびコンクリートの劣化状況など、当該遺構の特徴を明らかにすることができた。なお、今回の実測作業では、3Dスキャナを用いており、これが作業効率を上げる事に繋がった。3Dスキャナで得られた点群データはCADソフトで読み込むことで、調査終了後においても任意の位置で断面情報を得ることができ、遺構の立体的な把握に有効であった。今回のコンクリートの劣化調査では、全天球画像による変状展開図の作成を試みた。変状を誤って違う区画に記入する作成ミスが誘発されることがあったが、これは画像が歪んで同一の変状箇所の照合が難しくなることに主因があった。今後はより詳細な変状展開図を作成できるよう、撮影の区画を識別できる標点を打って撮影するなど、方法を改める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は当初予定の旧海軍根室第二飛行場に現存する有蓋掩体の現地調査を中心に研究活動を行う。調査内容は、主要寸法のレーザー距離計による実測、コンベックスによる細部の採寸、3Dスキャナによる立体的な情報収集、目視等によるコンクリートの劣化状況の把握などである。また、持ち帰った諸データをもとに、根室の有蓋掩体と史資料や計根別の有蓋掩体との比較、分析などを行う。 なお、当初予定の電探施設調査(釧路市)は、対象が1棟であること、勤務地から1時間程の近場にあること、その他、規模や用途の類似性を考慮に入れ、令和7年度に実施予定の電探施設調査(日高町)と同時期に日程を調整しながら実施することとした。
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