Project/Area Number |
23K00978
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04010:Geography-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
小山 拓志 大分大学, 教育学部, 准教授 (30553581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手代木 功基 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (10635080)
土居 晴洋 大分大学, 教育学部, 教授 (40197992)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 森林限界 / 草原 / 気候環境 / 時空間的変遷 / 四国山地 |
Outline of Research at the Start |
四国の一部山岳地域には,気温環境に規定された「森林限界」は存在しないはずにも関わらず,本州中部山岳地などで認められる木本の生育限界(森林限界)に極めて酷似した「疑似森林限界」が広がっている。この植生景観の成因には,自然条件に加え人間活動の影響も関与している可能性があるが,双方の観点から総合的に研究された事例がないため,変遷史に関しても未だ解明には至っていない。本研究の目的は,四国山地における疑似森林限界の成因や変遷史が,気温環境以外の地因子の相互作用によるものかを,人間活動の影響を踏まえ包括的に明らかにする点である。本研究は将来的な展開として,新たな「森林限界論」を提唱できる可能性が高い。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,現地踏査および空中写真・衛星写真の解析を基に,四国山岳地全域における草原の分布特性を明らかにした。具体的には,四国山岳地を西部,中央部,東部に区分して草原の位置,面積,上・下限高度をGISにより解析した。その結果,西部では大川嶺および笠取山周辺において,南から東向き斜面を中心に標高1400m前後から1500m前後にかけて草原が分布していた。また,笠取山の東に位置するウバホド山(1481m)南向き斜面に分布する草原の下限高度は,1300m前後であることが明らかとなった。一方,中津明神山周辺の草原は,山頂および稜線を上限高度とし,東から南東斜面および西向き斜面に分布していた。その下限高度は,山頂直下の南東斜面のみ1400m前後だが,稜線から広がる草原の下限高度は1300m前後とやや低下することが示された。東部においては,堂ヶ森周辺における南~南西向き斜面に草原が分布しており,山頂を上限高度(1689m)として,その下限は1450m前後に位置していた。二ノ森周辺における草原の上限高度も概ね山頂高度(1929m)と一致し,下限高度は1700m程度であった。 また,2024年度に調査対象地域において地形測量を行うことを想定して,高標高域および低温環境においてLiDAR機器が正常に作動するかどうかを確認した。これまでLiDAR機器による地形測量は主に平野部の活断層研究などに限られていたため,実際に低温・強風の山岳地において機器が正常に作動するかは不確定であった。そこで,南アルプス南部高山帯の丸山(3032m)において植被階状土の測量を行い,LiDAR機器の精度および動作について確認した。その結果,植被階状土の2cm-DEM(数値標高モデル)の生成に成功し,山岳地における微地形測量の可能性を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,2023年度中に総合気象観測機器を購入し,石鎚山周辺の草原に設置する計画であった。しかし,購入予定であった総合気象観測機器の性能が充分でなく,より精度の高い高額な機器を購入することとした。そのため,計画通り気象観測を実施することができなかった。また,野外調査に関しても天候の悪化が続き,計画していた地形測量を十分に行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は総合気象観測機器を2023年度に設置する予定であったが,機器破損の不安と納期時期の都合から,2024年度に購入し設置する。また,瓶ヶ森および石鎚山周辺の地形を把握することを目的に,小型UAV(ドローン)や3Dスキャナ(LiDAR)による空撮およびスキャニングを行い,地形測量を実施する。これにより高精度の地形データが取得でき,植生分布との関係性を明らかとする。また,野焼きに関する基礎資料の収集を行い地図化すると共に,農村集落への聞き取り調査を実施する。年度末には研究成果の公表を行う。
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